第百二十話 移動要塞その四
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「各勢力も移動要塞持ってるな」
「そうやねんね」
「結局考えることは同じや」
「人やったら」
「そういうことやな」
「それでやね」
「どの勢力も浮島でこれやって大きさの島見付けてな」
「それでその島をやね」
「改造してな」
そしてというのだ。
「移動要塞にしてな」
「使うんやね」
「確かに技術も金も手間もかかるけど」
実際に日本側も蓬莱を建設するのにかなりの予算を使っている、日本にとってはかなりの出費であった。
だがそれでもだ、芥川の見たところ。
「戦略を考えるとな」
「必要やね」
「移動出来て空飛べる要塞とかな」
「こんなええもんないし」
「それでや」
「開発したし」
「そや、必要やないと」
それこそとだ、芥川はさらに話した。
「特に軍事はな」
「造られへんね」
「そういうことや、それでな」
「これからやね」
「全員乗り込みや、しかし」
「しかし?」
「これからほんま凄いことになるな」
芥川は笑って綾乃にこうも言った。
「覇権を争う大戦になるわ」
「ああ、間違いなくな」
中里も芥川に応えて言った。
「各勢力同士のな」
「全面衝突のな」
「そうした戦になるな」
「そや、ただ勝つのは僕等や」
芥川は中里に不敵な笑みで答えた。
「それはもう絶対のことや」
「どれだけ激しい戦になってもやな」
「そや、覇者になるのはな」
「僕等やな」
「確かに兵の数は一番少ない」
このことが日本の一番のネックであることは言うまでもなかった、とかく日本は人工の関係で兵の数が他勢力より際立って少ない。
だがそれでもだ、彼は言うのだ。
「六十万、他の勢力が何百万と持っててもな」
「こっちは僅か六十万」
「兵の数はそんなので装備もな」
「アメリカには落ちるな」
「そや、しかしや」
それでもとだ、芥川は自信を以て言った。
「兵の強さは随一や」
「訓練に訓練を重ねてきてな」
「軍律も厳しい」
「それでやな」
「規律正しく動く」
精鋭達がそうなっているというのだ。
「うちの六十万は太平洋と地下世界最強の六十万や」
「兵の強さは一番でやな」
「それでや」
「星のモンも多い」
「こうしたことを活かして戦って」
そうしてというのだ。
「勝つさかいな」
「それでやな」
「自信を持って行くで」
「そうするな」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「僕の戦略はまだ全部話してない」
芥川はニヤリと笑った、そのうえで今の言葉を出したのだった。
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