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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
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せると、言葉を発することなく、同じタイミングで歩き始めた。
 以心伝心という言葉が、似合うほどの勢いで。

「なあ」
「どうした」

 不意に洸夜が口を開いた。
 対する祐治も、短く聞き返した。

「中2の時、どうしてギターを始めようと思ったんだ?」
「それはな……ギターを見たときに、弾けたらかっこいいって思ったんだよ」

 至って真面目な顔で、祐治はそう答えた。
 それを聞いた洸夜は、思わず吹き出した。

「……ブフォ!」
「何がおかしいんだ……」
「いや、凄いシンプルな理由で始めたんだなぁと思って、さ」

 洸夜は、なんとか込み上げる笑いを抑えながら、祐治へと返答した。
 対する祐治は、少しばかり困惑とも、羞恥とも取れる様な表情をするのであった。

「悪い……か」
「全然。寧ろいいと思うけどな」
「そうか?」
「モテを取ろうとしなければ」
「な、お前!」

 そういった祐治は、顔を真っ赤にした。

「図星かな?」
「ああ、そうだよ。半分はモテを狙ってやったよ」
「意外と素直に認めた」

 そんな祐治に、洸夜は関心するのだった。
 そんな祐治はというと、普段の冷静な彼からはとても想像がつかない程、顔を赤くしているのだった。

「まあ、そんな理由でも、ここまで上手くなれるのはすごいと思うぜ?」
「そんな理由って……。だがまあ、そう言ってくれると素直に嬉しいよ」

 祐治はそう答えた。
 変なこと言われてばっかだったけど、と付け加えて。

「怒んなって。なんか飲み物奢ってやるからさ」
「本当に?」
「ああ。何がいい?」

 じゃあ、と言って祐治は、すぐ近くにあった自販機へとかけていき、1つの飲み物を示した。

「この、コーラ」
「……160円のやつか。了解」

 洸夜は自販機に160円きっかりを投入すると、コーラの販売ボタンを押した。
 押すと同時に、ピッという音が鳴り、コーラが受け取り口に落ちてくる。

「ほらよ」

 洸夜は、取り出したコーラを、祐治に手渡した。

「ゴチになりまーす」

 と言って、祐治はコーラを受け取った。
 そんな祐治を見て、洸夜は調子いいなと思いつつ、携帯を取り出して時刻を確認した。

「あ、もうこんな時間じゃねぇか」
「本当だ。帰るか」
「だな」

 2人は、それぞれ自宅へと向かって歩いていくのだった???





 その日の夜。
 洸夜は、自身の部屋でベッドに寝そべって、携帯とにらめっこしていた。
 そこに映し出されているのは、『相談会』と書かれたトーク画面と、Crescendoの4人により繰り広げられる、会話だった。
 帰宅の際に、祐治に招待されたグループである。


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