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ヘルウェルティア魔術学院物語
第十話「二重魔術」
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すディートハルト先生と心配そうに声をかけるルナミスさんがいたが俺は振り返る事は出来なかった。

「こ、の、大馬鹿野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

瞬間、ディートハルト先生の怒鳴り声と共に頭に拳が落ちる。頭の天辺から足先まで響く激痛に俺は涙目で頭を抑える。そんな俺にディートハルト先生は怒りが収まらない様子でお説教を始めた。

「あれって、二重魔術って奴じゃない?」
「二重魔術!?俺らと同じ年でもう使えるのかよ!?」
「しかも俺らと同じGクラスなのに……」
「もしかしてエルナン君って実はすごい?」
「実際ステータス見た時も能力全部俺らよりとびぬけてたからな〜」
「じゃあなんでGクラスにいるんだ?先生のミス?」
「さぁ?」

後方ではクラスメイト達が俺の使用した二重魔術について考察している。いくら落ちこぼれと言っても魔術師の卵たちだ。こういう考察は好きなんだろう。実際、俺も好きだし。

「おい、聞いているのか?」

「は、はい!ちゃんと聞いてます!」

そう考えているとディートハルト先生の顔がドアップで映し出される。どうやら別の事を考えていたことがバレたようだ。先生の顔は既に人ではなく悪魔の如き形相となっていた。直視できない様相だ。

「……ったく、ほら!お前らは何時までそうしているつもりだ!次の奴は前に出ろ!エルナン、お前は罰としてテストの手伝いだ。先ずはあそこの備品室から新しい的を持ってこい!」
「はいっ!」

俺はディートハルト先生の怒鳴り声にビビり走って備品室まで行く。情けないけどディートハルト先生は本当に怖い。今後は起こらせないようにしないと。
備品室から的を取ってきて先ほどと同じ距離の場所に置いたことで再びテストは再開された。その後は特に何もなく終わりクラスメイトはそれぞれ帰路についた。

「あ、エルナンはこのまま残れ。演習場をこのまま半壊にさせておくわけにはいかないからな」
「はい……」

どうやら今日はいつ帰れるかは不明のようだ。こんなことならもっと出力を抑えるなり別の魔術にしとくんだった。調子乗って二重魔術なんて使わなければ……。

「あ、あの!ディートハルト先生」
「何だルナミス?」
「私も手伝っていいですか?」
「何?」
「流石にこの量を二人でとなると大変だと思うので……」

クラスメイトが帰路につく中ルナミスはディートハルト先生に掃除の許可を貰っていた。確かにこれを二人でとなると朝まで終わらなそうだな。

「……いいだろう。だが下校時刻はきちんと守れよ」
「はい!」
「なら私達も手伝うよ」
「……」
「いいだろう。許可する」

ルナミスの後ろからレギーナさんとアンネさんが顔を出す。ああ、これなら少しは早く終わりそうだな。俺は三人の申し出に心
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