暁 〜小説投稿サイト〜
Twitterログ(キャスぐだ♀)
一旦休憩、再開未定

[8]前話 前書き [2]次話

 レイシフト先は運の悪いことに雨模様であった。小さな歪は修正し終えていたことがせめてもの救いか。ツいてないねえ。内心でぼやいている自分を他所に、マスターは何かを見つけたらしく走り出した。目で追いかければ、大樹の根本――数人が入れそうな(うろ)がある――から満足げな表情を浮かべ手招きをしている。

「しょーがねえな」

 大人しく歩みを進め、肩を並べて雨宿りスタイルに落ち着いた時は既に、隣の存在は瞼を閉じているではないか。おいおい、寝る気か? ある意味、非常事態とも言える状況でこの様とは恐れ入る、そう溜息を吐こうとした瞬間。

「ここはいいね。また来たいな、雨の日に」

 ゆるりと弧を描いていた口から穏やかな声が発せられた。雫が落ちる、それ以外にもたくさんの音が聞こえて楽しい。微笑んだまま告げられれば、己も従うしかなかろう。

「そうさなあ……ま、森だって許してくれるだろうよ」

 オレとお前さんだけしか居ねえんだ。ドルイド様とマスターは、ちょいとお暇を頂きますってな。






[8]前話 前書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ