一旦休憩、再開未定
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レイシフト先は運の悪いことに雨模様であった。小さな歪は修正し終えていたことがせめてもの救いか。ツいてないねえ。内心でぼやいている自分を他所に、マスターは何かを見つけたらしく走り出した。目で追いかければ、大樹の根本――数人が入れそうな洞がある――から満足げな表情を浮かべ手招きをしている。
「しょーがねえな」
大人しく歩みを進め、肩を並べて雨宿りスタイルに落ち着いた時は既に、隣の存在は瞼を閉じているではないか。おいおい、寝る気か? ある意味、非常事態とも言える状況でこの様とは恐れ入る、そう溜息を吐こうとした瞬間。
「ここはいいね。また来たいな、雨の日に」
ゆるりと弧を描いていた口から穏やかな声が発せられた。雫が落ちる、それ以外にもたくさんの音が聞こえて楽しい。微笑んだまま告げられれば、己も従うしかなかろう。
「そうさなあ……ま、森だって許してくれるだろうよ」
オレとお前さんだけしか居ねえんだ。ドルイド様とマスターは、ちょいとお暇を頂きますってな。
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