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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep49セレスの独白〜Before the battle〜
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†††Sideセレス†††

夢を見た。それは幼い頃の夢。
私にとって世界そのものと言える大切な存在、お姉ちゃんが遠い異世界で死にました。
私の姉フィレスは、仕事で多忙な両親に代わって、私の面倒を見てくれた人でした。とても優しく、温かく、それでいて強かった。
天才的な魔導の才能があり、それを知った管理局にスカウトされ、海の部隊に配属されたのです。
そして、ある凶悪事件の前線に立たされて、その結果、死んでしまいました・・・。

「私の大好きな、世界(わたし)の中心だったお姉ちゃんは、悪の組織(かんりきょく)に奪われたのです。永遠に・・・」

お姉ちゃんが死んだことを報せにきた男の人たち。お姉ちゃんの部隊の上官や管理局の幹部たち。彼らは言いました。

「フィレス空士は、立派に戦いました」

「君のお姉さんはひとつの世界を護った」

「立派に戦って、何千という命を救ったんだ」

「彼女は栄光ある死を迎えた」

「我々は彼女を、フィレス・カローラ三等空士を誇りに思う」

そんな言葉聞きたくない。勝手にお姉ちゃんを管理局に連れていって、それで死なせた。そんな奴らが、そんな偉そうなことを言ったのです。

「そんな他人(セカイ)どうだっていい!! 返して! わたしの世界(おねえちゃん)を返してよ!!」

遺族への賠償金なんて要らない。名誉の戦死なんて言葉も要らない。勲章も要らない。要るのは、欲しいのは、お姉ちゃんただひとりだけ。だけど、もう・・・お姉ちゃんはいない。帰ってこない。笑いかけてこない。頭を撫でてくれない。一緒にご飯を食べられない、一緒にお風呂には要れない、一緒に寝られない。

お姉ちゃんは殺され、今は冷たい土の中。その現実が、私を壊し、狂わせた。

それからでした。胸のずっと奥に管理局と争いを止めない世界への復讐心を燃やし宿したのは。

「フィレスは良くやったよ」

「ええ、ひとつの世界を守ったなんて、誰にでも出来ることではないですわ」

両親は、世界ひとつを守って死んだ姉フィレスを誇りにした。ふざけるな、です。私にとって最愛の姉が居なくなった。それを誇りに思えと? 冗談ではありません。
ですから私は両親が他界した後、“ミュンスター・コンツェルン”を人知れず継ぎ、管理局に黙ったまま両立しました。
すぐにでも偉くなって、ふざけた考えを捨てない上層部を一掃するために、昇格だけを目指して突っ走りました。偉くなればなるほど見えてくる腐りきった上層部。

「私が変えてみせます。こんな偽善に満ちた組織を・・・!」

それから表は管理局員、裏は“ミュンスターコンツェルン”のCEOとして動いてきました。昇格に有利な資格も獲り、私はただひたすら上を目指して頑張っていたのです。
そんなあ
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