罪
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<バハラタ東の洞窟>
「お前等は、そんな風に命乞いをした人々を、何人殺してきたんだ?立場が変わっただけだろ…今更後悔するなよ!」
「そ、そんな………」
そしてリュカがゆっくりと杖を振り上げた…その時!
「止めて下さいリュカさん!!」
アルルがリュカとカンダタの間に割り込んできた!
リュカだけではない、ウルフ達も…そしてカンダタ達までもが驚いている!
「アルル…どうして?」
リュカは何時もの様に優しく問いかける。
「歯向かう気の無い人を殺したら、彼等が行ってきた事と変わりません!先程の男みたいに、敵意や害意を見せてるのなら分かりますが、彼等にはそれがありません!」
「しかしそれは今だけだろ?此処から無事逃げ延びれば、また人々に災いを撒き散らすかもしれない…」
「でも足を洗うって…「それを信じるのかい?」
リュカとアルルは互いに真剣な眼差しで見つめ合う!
「今回の誘拐は失敗した…纏まった金を手に入れられなかった…コイツ等は、また別の町で同じ事を繰り返すかもしれないだろ!」
「そ、そんな事しねー!もう悪さはしねーって!本当だよ!」
「た、確かに…彼等を無条件で信じる事は…私にも出来ません…」
言葉に力を無くすアルル…
「な…本当にしねーよ!信じてくれよぉ」
「でも私は、リュカさんに無駄な人殺しをしてほしくありません!」
それでも退かない!
リュカに人殺しをさせない為に!
「無駄じゃ無いよ。今後の為に意味はあるよ…」
「私にはありません!私から見たら、意味なんてありません!」
「じゃぁ見るな!目を閉じて見なければいい!」
「そう言うわけにはいきません!私はリュカさんの瞳に灯る闇を、これ以上放置する事が出来ないんです!」
「……瞳に……闇……!?」
アルルの言葉にショックを受けたリュカは、自分の目を押さえ後ずさる…
「シャンパニーの塔でも、此処でもリュカさんの瞳に灯る闇が、私は怖いんです!だから…お願いだから、人を憎まないで下さい…罪と人は別です…」
暫くの間、誰も喋らなかった…
時間だけが静かに流れる…
そしてリュカが口を開く。
「じゃぁ…そいつ等をどうすれば良い?アルルだって信用してないんだろ?」
「それは………」
答えに困るアルル…
しかし何かを思いついたカンダタが、少し興奮気味に話し出す!
「そうだ、俺はアンタ等に協力するよ!アンタ等が何を目的にしているのかは知らないが、世界中を旅してるんだろ!?だったら俺もついて行くよ!子分達には、世界中の情報を集めさせる!な!?それだったら、アンタ等も俺達の事を見張れて安心だろ!?」
「………それは良いアイデアですね!それなら貴男達も見張れるし、盗賊の情報網を利用できる!」
カンダタの提案にアルルが飛び跳ね
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