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レーヴァティン
第百三十三話 砦攻めその十

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「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「病を持っている女はな」
 それはというと。
「治す」
「そうしますね」
「そうして病を女から貰った奴もだ」
「治しますね」
「そうする、そうしてな」
「病をなくしますね」
「こうした病はそうするしかない」
 治療はというのだ。
「長くかかり手間もかかるが」
「それでもですね」
「梅毒になぞなったらな」
 英雄は嫌悪と共に話した。
「あれだけ厄介な病もそうはないからな」
「見ている方も恐ろしいですね」
「この世界に来てはじめて見た」
 梅毒、この病をというのだ。
「俺達の起きている世界でもあるが」
「もう今はすぐに隔離されてであります」
 峰夫が今自分達がいる世界での梅毒のことを話した。
「治療を受けます」
「そうなるからな」
「普通に巷に患者がいることは」
「俺達の世界ではないからな」
「だから存在していても」
 梅毒という病がだ。
「それでもであります」
「見ることはないな」
「しかしこの世界では」
「それがだな」
「違うでありますから」
 だからだというのだ。
「わし等も見るであります」
「そういうことだな」
「しかしこの目で見ますと」
「恐ろしいな」
「赤い斑点に歯が落ちたり髪の毛が抜けたり」
「できものもな」
 英雄は腫瘍の話もした、これも梅毒の症状の一つだ。
「出てな」
「身体も腐り」
「頬まで腐りそこから歯が見える」
 頬がなくなってしまってだ。
「本当にそうなるとはな」
「思いませんでした」
「そうだな、だからだ」
「この病は」
「治す、そして元もな」 
 病のそれもというのだ。
「必ずな」
「なくしますね」
「そうしていくからな」
 だからだと言ってだ、そしてだった。
 英雄は梅毒のことにも命を出した、そのうえで軍勢全体の悩みの種の一つにもどうにかしていった。
 その時に香織はこんなことを言った。
「世の中奇麗ごとじゃ済まないことはたい」
「わかっていたか」
「うちはそうした話は好きじゃなかとよ」
 娼婦やそうした話はというのだ。
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