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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第5話:黄金の時間
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「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl」

 突如として戦場に響いた新たな歌。それを耳にした瞬間翼の顔から血の気が引いた。

 今奏が口にしている歌は絶唱と呼ばれる、シンフォギアの言ってしまえば奥の手だ。その力は凄まじくこのドームに居るノイズを一掃できるだけの力を持つ。

 だが当然ノーリスクの技ではない。寧ろこの歌はリスクの塊と言ってもいい。何しろ翼ですら、この歌を歌ったらその反動で確実に暫くは病院のベッドの上で過ごすことになる事確実なのだ。
 元より最初は適性を持たず、投薬で無理矢理シンフォギアを纏い更には制限時間を過ぎてしまった今の奏が耐えられる訳がない。

「Gatrandis──」

「いけない奏、歌ってはダメェェッ!?」

 翼は血相を変えて奏の元へ向かい、歌を止めさせようとする。

 その彼女の行く手を無数のノイズが阻んだ。

「邪魔だ、退けぇぇぇッ!?」

 最早太刀筋も関係なく我武者羅に剣を振るいノイズを切り裂いていく翼。

 彼女は天に願った。時間を止めてくれ、奏を止めてくれと。
 奏が居ない未来など考えられない。彼女を自分から奪わないでくれと、普段はあまり信じない神に只管祈りを捧げた。

 だが残酷にも時は止まらず、奏の絶唱は最後のフレーズを残すのみとなった。

「Emus────」

「ダメェェぇぇぇぇぇッ!?」

 無意味と知りつつ、翼は奏に向けて届かぬ手を伸ばした。

 その瞬間、無数の弾丸が翼の周りのノイズに降り注ぎ次々と灰にしていった。

「え?」

 突然の出来事に目を見開き呆ける翼。それも当然で、ノイズを倒せる銃弾など聞いたこともなかったのだ。そして自分たち以外に装者が居ると言う話も聞いたことはない。

 では今の銃撃は一体何なのか? 

 その疑問は直ぐに解消した。出し抜けに彼女の背後から飛び出した1人の青年が、周囲に蔓延るノイズを手にした大型の拳銃で次々に撃ち抜いたのだ。

「fine──」

「あ、貴方はッ!?」
〈テレポート、プリーズ〉

 突如現れた青年は、翼の質問に答えることなく一瞬の光と共に消えると次の瞬間には奏のすぐ傍に移動していた。

「──zizzl」
〈ボンズ、プリーズ〉

 そして彼は、絶唱を歌いきる寸前の奏の右手からガングニールのアームドギアを毟り取ると、彼女の右手の中指に装飾の大きな指輪を嵌めて己の腰のバックルに無理矢理翳させた。

「え? え!?」

 絶唱を歌いきると同時に自身に行われた行為に、奏は理解が及ばず困惑する。何が起こったのか理解できず、無理矢理指輪を嵌められ引っ張られた掌の方を
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