第百九十話 実は伝統ではない
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第百九十話 実は伝統ではない
アメリカ妹はお兄さんにこんなことを言いました。
「最初中国さんと会った時のことは今でも覚えてるよ」
「清の頃だったな」
「国民の人達が変わった髪型だったからね」
その為にというのです。
「辮髪だね」
「あの髪型には僕も驚いたぞ」
実はアメリカもそうでした。
「ちょん髷とはまた別にだ」
「そうだよね」
「しかしだぞ」
アメリカは妹さんにお話しました。
「あれは今でこそ昔の中国の象徴になっているが」
「実は違うからね」
「そうだぞ、あれは満州族の髪型でだ」
もっと言えば北方の遊牧民族のです。
「漢民族の髪型じゃないぞ」
「あたしもそのこと知らなかったんだよね」
「けれど知ったらだな」
「ああ、納得したよ」
「清は満州族の国だったからな」
それで辮髪だったのです、この髪型は最初漢人にはどうかと思われましたが長い歳月の間に定着したのです。
第百九十話 完
2019・12・15
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