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銀河英雄伝説〜其処に有る危機編
第十五話 たまには食事でも楽しもう
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ンター、ナイトハルトと顔を見合わせた。二人とも肩を竦めている。

「ところで、今日俺達を呼んだのは何のためだ?」
ギュンターがサラダを頬張りながら訊ねるとエーリッヒが肩を竦めた。
「偶には皆で食事をと思ったんだ。ゼーアドラーだと周囲の眼が煩いからね」
「本当か?」
「嘘だ、ちょっと相談したい事が有ってね。まあ話は食事が済んでからにしよう」
やれやれ、久しぶりに飯を喰おうと言うから来てみたがやはり裏が有ったか。まあ良い、次はホイル焼きだ。キノコの出汁が、ソーセージの肉汁が……、堪らん!

話しが始まったのは食事が済み紅茶を飲みながらだった。
「アントン、ブラウンシュバイク公に会いたいんだが」
思わずエーリッヒをまじまじと見た。冗談で言っているわけでは無いらしい。しかしナイトハルトとギュンターの前でそれを言うとは……。

「内密にか」
「まあそういう事になる。周りに知られると煩いからね」
「おいおい、俺やナイトハルトは良いのか?」
ギュンターの言葉にエーリッヒが“うん”と頷いた。
「卿らは良いんだ。私を危険視してないから」
「俺は卿を監視しているんだぞ」
「監視じゃなくて心配しているんだって分かっているよ」
ギュンターが肩を竦めて天を仰いだ。困った奴、そう思っているだろう。

「会って何を話すんだ?」
「……これからの事かな。ブラウンシュバイク公が現状を如何見ているのか、そしてこれからの事を如何見ているのか、その辺りを話したいんだ」
これからの事か、露骨には言わないが皇帝陛下崩御後の事だろうな。

「正直に言うよ。私は士官学校の校長になった時、ホッとした。軍の統制を維持するには処分を受けるのが至当で有ったしローエングラム伯が指揮権の一件で私を恨んでいるのも分かっていた。処分を受ければ伯も已むを得なかったのだと考えるだろうと思ったという事も有る」
エーリッヒは憂鬱そうな表情をしている。

「卿らは認識が甘いというかもしれない。だが私は士官学校の校長になった事で軍中央とは縁が切れたと思ったんだ」
ギュンターが溜息を吐いた。俺も吐きたい、なんでそう思うんだ? ナイトハルトは首を横に振っているぞ。
「だが状況は悪化した。まさかレポートの所為でこんな事になるとは思わなかったよ」
「官舎の外に居る連中か?」
問い掛けるとエーリッヒが頷いた。この官舎に入る前に二人の軍人に誰何された。

「私の身辺警護をしている。四交代制で常時四人が私に張り付いているんだ。軍務尚書は私を敵視する人間から守るためだと言ったよ。リューネブルク大将の所から選んだみたいだ」
今度は本当に溜息が出た。
「憲兵隊、情報部、それに装甲擲弾兵から身辺警護か」
俺の言葉にギュンターが“それだけじゃない”と言った。
「最近じゃ内務省もエ
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