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レーヴァティン
第百三十二話 二手に分かれその十二

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 英雄は彼等の援助も受けられる様になった、それで西の浮島の優れた武器も買える様になってだった。
 肥前をより攻められる様になった、英雄はそれを見て言った。
「もう肥前はだ」
「完全に手に入れるのも時間の問題になってきたわね」
 奈央がこう応えた。
「思った以上に早く」
「そうだな、ではだ」
「いよいよ肥後ね」
「あちらに兵を進めてだ」
 そうしてというのだ。
「そしてだ」
「熊本城もだね」
「攻め落とす、あの城の堅固さはかなりでだ」
「どうして攻め落とすかね」
「今も考えているが」
 それでもというのだ。
「次第にな」
「どう攻め落とすか」
「考えがまとまってきたか」
「そうなってきた」
 こう奈央に話した。
「やはり難攻不落の城はだ」
「ないね」
「どうしても守られると思っていたが」
「それでもだね」
「やり方はある」
 熊本城の攻め方、それがというのだ。
「やはりな、そして長崎にだが」
「その街に?」
「水軍を入れるか」
 このことも話すのだった。
「そしてあの港はな」
「軍港としてもだね」
「使う、しかしな」
「しかし?」
「空船の港としてもな」
「このまま使っていくのね」
「堺と同じくな」
 そうしていくとだ、英雄は話した。だがここでこうも言った。
「だが出来れば長崎に寄りたい」
「この度の戦で」
「そうもしたいが」
「それは無理かも知れないわね」
 奈央は英雄に冷静な声で答えた。
「残念だけれど」
「余裕がないな」
「行くそれがね」
「なら仕方がない、今は長崎にも行きたいが」
「それ以上に」
「戦だ」
 このことの方が大事だというのだ。
「九州の統一に向かう」
「ではね」
「長崎よりも肥後だ」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 英雄達は今は肥前を手に入れていっていた、信仰や文化を認めた彼等はより一層の支持を得て彼等も味方につけていった。だがまだ歯向かう者達はいてこの国の掌握は万事順調とはいかないのだった。


第百三十二話   完


                  2019・10・1
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