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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第三話 大迷宮
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ジを伝えるために着地してから跳び上がってもいいが‥‥‥。おそらく風車にはかなりのエネルギーが貯まるはずだ。それを使えば俺一人なら上に戻れる‥‥と思う。

そのうちに地面が見え始めた。ハジメは気絶している。

「蜂起。ハジメを」

「おう、投げてくれ」

ポイッと蜂起に投げ渡す。近づく地面。俺は跳び上がる準備をした。


「‥‥‥‥‥!今だ!!」

俺は地面を蹴り、跳び上がった!グングンと上昇する。あっと言う間に崖の上に出た。

俺は今だその場にいたメルドさんたちに、ハジメの無事を伝える。

「悪いけど‥‥‥ここからは俺ら四人で行動します。それと、千秋と若芽はいますかね?」

「いるけど‥‥」

「どうしたの?コウ」

「‥‥悪いが、暫くのお別れだ。必ず戻ってくるから、その時まで待っててくれるか?」

「もちろん!」

「気をつけてね!」

「それと白崎‥‥」

「な、何?」

「悪いが‥‥今はハジメの生死は分からない」

「そ、そんな‥‥」

「落ちたときに衝撃を和らげたとはいえ、かなりの高度から落下したんだ。どちらとも言えない‥‥すまないな」

「だったら‥‥私も行くから!」 

「‥‥それは駄目だ。これ以上の戦力ダウンはいけない」

「いや!それでも行く!」

そう言って今にも飛び降りようとする白崎。それを止める光輝と雫。

「香織っ、ダメよ! 香織!」

「香織! 君まで死ぬ気か! 南雲はもう無理だ! 落ち着くんだ! このままじゃ、体が壊れてしまう!」

(いや死んでるかは分からんのに‥‥)

「無理って何!? 南雲くんは死んでない! 行かないと、きっと助けを求めてる!」

「‥‥団長」

「ああ‥‥」

メルド団長がツカツカと歩み寄り、問答無用で香織の首筋に手刀を落とした。ビクッと一瞬痙攣し、そのまま意識を落とす香織。

「ありがとうございます‥‥頼みました」

「ああ、必ず帰ってこい」

「もちろん。それでは‥‥あ、八重樫。白崎に伝えといてくれ。必ず戻る、と」

「分かったわ。気をつけてね」

「おう」


もう未練はない。俺は飛び降りた。ベルトにエネルギーが充填される。俺はこのエネルギーの上手い活用方法を考えながら、自由落下を続けるのだった‥‥。


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