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怨恨
第六章
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「デブデブになって禿げ散らかしてな!ハゲデブは手前だろ!」
「ハ、ハゲデブって」
「見た通りだろ!このハゲデブ!」
 由美はさらに言った。
「自分がなってりゃ様ねえな!悔しかったら痩せろ!」
「そ、そんなこと言うんだ」
 言われた方は気にしていたのかかなり傷付いている感じだった。
「今更」
「今更じゃねえ!私はずっと覚えているんだ!」
「俺が言ったことを」
「そうだよ!臭いんだよデブ!」
 由美は彼にこうも言った。
「私にこうも言ったな!臭いのはお前だよ!加齢臭もさせやがって!」
「匂いはもう」
「お前が言った言葉だ!臭いからとっとと出て行け!そして渡部!」
 今度は白髪の女子に言った。
「お前も私によくデブデブ言ったな!今じゃお前の方が太ってねえか!」
「そんなこと今言われても」
「今言ってやる!」 
「今って」
「これから会う度に言ってやる!そして一生忘れないからな!」
「あの、俺そこまで酷いこと君にした?」
「したから言ってるんだ!何があっても覚えてるからな!」
 由美は同窓会の間ずっとかつてのクラスメイト達に過去のことをぶつけまくった、食べるものはあっさりしたものばかりで酒は白ワインで通した。
 そして全てが終わるとだった。
 クラスメイト達に挨拶もせず無言しかも鬼の顔で帰った、その後姿を見てだった。
 友子は周りにこう言った。
「私全然知らなかったわ」
「俺もだよ」
「私もよ」
 周りは友子に力ない声で項垂れつつ応えた、誰もが飲んでいても酔いはなかった。
「天霧さんが私達をあんな風に思ってたって」
「ずっと昔のこと覚えてて怨んでて」
「忘れてなくて」
「俺達をあそこまで憎んでいたとか」
「全く」
「私達は軽い気持ちで言って」
 それこそ覚えてない位だ。
「そんなことだったのに」
「天霧さんは覚えていて」
「忘れていなくて」
「恨んでて憎んでいるとか」
「そんなことは」
「全くね」
 友子はまた言った。
「思ってなかったわ」
「そうだよな」
「本当にね」
「そういえばあの時言ったかな」
「天霧さん太ってるとか」
「そんなことを」
「言った方は覚えてなくても」
 それでもとだ、友子も項垂れつつ述べた。
「言われた方は覚えていて」
「忘れていなくて」
「心の底から怨んで憎んでる」
「そんなことがあるんだな」
「天霧さんみたいに」
「そのことがわかったわ、それでね」
 友子はさらに言った。
「もう天霧さんは二度と同窓会に来ないわね」
「今回はぶつけに来たんだろうな」
「ずっと思っていたことを」
「それをぶつけたから」
「もう後は」
「私達の前に出ない」
「怨んでて憎んでいる相手の前に」
「もう二度と」
「呼び掛けても来ない
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