第一章
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ふんわりのんびり
東京からはるばるそれこそ東京から新幹線を使っても一日はかかるある県の村に来た、両親はそこに来てから娘の神崎美幸に言った。
「今日からここに住んでな」
「学校もここの中学に通うから」
「家も買ってあるしな」
「楽しく住みましょう」
「何ていうか」
美幸は駅から出て周りを見回した、するとだった。
駅前は店が一つもなかった、東京の駅前には絶対にあるコンビニすらだ。とかく何もなくて閑散とさえしていた。
周りは山だらけで家もまばらだ、美幸はその大きな目で周りを見回しながらそのうえで両親に対して言った。
「別の世界に来たみたいよ」
「東京と比べたらな」
「本当に違うわね」
「それは事実だな」
「ここはね」
「正直不安よ」
それで一杯だとだ、美幸は言った。背は一五〇位で黒髪を肩の高さで切り揃えている。青のジーンズとキャラクターが入ったシャツは東京のものだ。手にしている鞄もだ。
「これまでずっと東京に住んでいたのに」
「急にここに来てな」
「そうなるのも当然よね」
「あの、ネット使えて」
かなり真剣にだった、美幸は両親に問うた。
「水道通ってるわよね」
「どちらも大丈夫だぞ」
「村の中に行けばお店もあるわよ」
「コンビニだってあるし」
「安心していいわよ」
「だったらいいけれど何ていうか」
東京と比べると、というのだ。
「全然違うわね」
「そうは言ってもな」
「ここで暮らすことになったから」
「お家も広くて仕事もちゃんとあるからな」
「困ることはないわよ」
「だといいけれど」
美幸は正直かなり不安だった、だが。
これから家族で住む家は古い感じだが東京で暮らしていた団地の部屋よりも遥かに広く立派な庭もあった、駐車場もあった。
風呂場も広く自室もかなりのものだった、通う学校も古くて生徒数が少なく幼稚園から中学校まで一つの校舎にあって幼稚園も小学校も中学校もまとめて一つのクラスでしかも生徒数は全体で十人もいない。
その学校に転校生と入ったがすぐにだった。
美幸は学校にもクラスにも馴染めた、それで学校生活も楽しくなったが。
よく村の中を歩いてクラスメイト自分より一年先輩の小岩井兎にこんなことを言った。
「広いですね」
「この村は」
「はい、随分と」
「確かに面積は広いけれど」
兎は自分の隣にいる美幸に答えた、背は一四五程で童顔でしかも身体つきも幼い。黒髪をツインテールにしているところも少女的で美幸の方が大人に見える。その彼女が美幸に村のことを村人として話した。
「人は少ないから」
「だからですか」
「余計に広く感じる」
「そうなんですね」
「村の人口はどう見ても一万人いかない」
兎は村の人口のことも話した
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