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ダイダラボッチ
第一章
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               ダイダラボッチ
 日本の神々はこの時熱心に国生みを行っていた、伊邪那岐命も伊邪那美命も夫婦で力を合わせて日本という国を作っていっていた。
 だがその中でだ、伊邪那美はどうかという顔で伊邪那岐に言った。
「あの、またです」
「またなのか」
「はい、気付けばです」
 伊邪那美は伊邪那岐にその顔でさらに話した。
「山が出来ています」
「東にだな」
「駿河と甲斐の間に」
 この二つの国の間にというのだ。
「出来ました、大きな山が」
「何時の間にか」
「はい、そして」
 伊邪那美はさらに話した。
「この前の近江の」
「あの足跡だな」
「そこに水が溜まり」
 そうしてというのだ。
「大きな湖になっています」
「あそこもな」
「おそらくですが」
「誰かが作ったな」
「そうだと思います」
「一体誰がやっているのだ」
 伊邪那岐は腕を組みそのうえで考える顔になって言った。
「私達が国を作っている時にだ」
「山や湖を作って」
「国の形を作っていっているが」
「私達と同じ神でしょうか」
「そう思うが」
 しかしと言うのだった。
「それが一体だ」
「誰かはですね」
「わからない、先の神々もな」
 伊邪那岐は自分達より先に出た神々の名も出した。
「ご存知ない様だしな」
「だとするとですね」
「私には誰がそうしているかわからない」
「そうですね、私もです」
「誰かがいる筈だが」
 それでもというのだ。
「一体誰だ」
「それを見ていきますか」
「そうすべきだな」
 伊邪那岐は伊邪那美の言葉に頷いた、それで自分達が作っている国で誰が山や湖を作っているのかを見ることにした。
 それでふと日本を見るとだった。
 一人の巨人と言ってもまだ足りない様なとんでもない大きさの男が日本を歩き回って貝をこれでもかと食ってそれを貝塚にしたり山を作ったりその山に使った土を掘った場所を池にしたり駿河と甲斐の間の山自分が作ったそれに腰掛けて頂上が平らな形にしたりしてだ。
 歩き回り動き回っていた、伊邪那岐と伊邪那美はその様子を高天原から見て二人で話した。
「どうもな」
「あの大男がですね」
「色々山や池を作っていた様だな」
「そうですね」
「神の様だな」
「それもかなり身体の大きい」
 勿論自分達より遥かに大きな身体をしている、そのことも見つつ言うのだった。
「そうした神ですね」
「巨人神は」
「そう言うべきですね」
「ではだ」
 伊邪那岐はその巨大な神を見て言った、自分達と同じ神の服と装飾で身体を覆っているが髭のない整った顔の伊邪那岐そして長い黒髪も顔立ちも美しい伊邪那美とは違い随分と逞しい身体つきで濃い黒い髭で顔を覆っている。太い眉が目立つ顔は笑みを浮かべていて
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