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星河の覇皇
第七十二部第五章 二つの政府の統合その三十三

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「志半ばで」
「多くの者がそうなった様にな」
「それが政治の世界ですね」
「民主政治のな、ではいいな」
「はい、身辺はです」
「常に気をつけることだ、無論暗殺もだ」
 こちらもとだ、クリシュナータはジャバルに話した。
「迂闊に窓際に立たずな」
「食事もですね」
「注意することだ、例えば靴もだ」
 毎日穿くこれもというのだ。
「下着もだな」
「毎日替えてですね」
「気をつけることだ」
「靴の中に毒を塗っておく暗殺もありましたね」
「過去実際にあった」
 キューバの革命評議会議長フィデル=カストロがアメリカにこれで暗殺されかけた、カストロは他にも数百回暗殺を計画されたが全てを乗り切り天寿を全うした。
「だからだ」
「靴もですね」
「他にもあるがな」
「暗殺の方法はですね」
「それこそ幾らでもあるがだ」
「乗り切ることですね」
「暗殺を乗り切ることもだ」
 スキャンダルへの対策と同じくというのだ。
「求められる資質だ」
「それもですね」
「志を果たすにはな」
「生きることも大事ですね」
「命あればこそだ」
 まさにというにだ。
「何かが出来る」
「そういうものですね」
「だからこそだ、いいな」
「はい」
「生きることだ」
 まずはと言うのだった。
「そうしなければ何にもならない」
「その通りですね」
「この生で何かしようと思えば」
「身の周りからですね」
「暗殺もスキャンダルもだ」
 そのどれもというのだ。
「注意することだ、人は転生するが」
「この人生でやりたいことがあるなら」
「守ることだ」
「自分自身をですね」
「そういうことだ、くれぐれもな」
「私の今の人生はです」
 ジャバルもヒンズー教徒であり輪廻転生を信じている、人はこの輪廻の中で幾度も生まれ変わっているものだとだ。
「それを果たすのが運命ですから」
「その運命の為にな」
「己を護ります」
「そうすることだ、そういえばだ」
「そういえばとは」
「君をガルーダと言う者がいる」
 ザガールとのやり取りを思い出してだ、クリシュナータはジャバルに言った。
「あの神の人間としての転生だとな」
「ガルーダですか」
「あの神だとな」
「面白いですね」 
 その話を聞いてだった、ジャバルは笑みでクリシュナータに返した。
「それはまた」
「まんざらでもない様だな」
「はい、実際に」
「そうなのか」
「ガルーダは偉大な神です」
 この神についてだ、ジャバルはこう言った。
「母親の雪辱を晴らし悪を喰らう」
「ナーガの姿をしたな」
「あまりにも巨大で雄々しく飛ぶ」
「そうした神だというのだな」
「そうです、ですから」
 ガルーダはそうした神であるからだというのだ。

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