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SAO−銀ノ月−
第三十三話
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撃せずに、クラウド本人のもう片手を観察するのが得策……!

「……チィィッ!」

 吹き飛ばされた真紅の片手剣を一瞥しながら、舌打ちしたクラウドの片手は高速で動きだした。
あの動きは確か……《クイックチェンジ》……!

 武器を変更するメニューは本来ならば五項目ほどの選択が必要なため、一々戦闘中に武器を変えてはいられない。
だが、クイックチェンジが話は別であり、その項目を二項目ほどに省略出来る。

 そしてそれを極め、注意せねば見えないレベルにまで昇華したのが、見えない剣入れ替えのトリック……!

「トリックが分かったなら……こっちのものだッ!」

 クイックチェンジのレベルをそこまで上げていることと、多数の武器を扱えるセンスとレベルには脱帽するが、仕掛けが分かってしまえば恐るるに足らず。

 威力を度外視した、高速の日本刀《旋風》による一撃がクラウドの片手を刻み、今まさにオブジェクト化しようとしていた真紅の大剣を取り損ねた。

「……へっ!」

 だがそこで、クラウドは思いも寄らぬ行動に出た。
取り損ねた大剣を取らずに、大剣を足場にして天高く飛び上がったのだ。
武器がないところを追撃した俺の一撃は空を切ったが、空中で身動きはとれない為に、地上で待ち構えていれば俺の勝ちなのだが……そう上手くいくはずがない。

「行くぜショウキっ! ……ぶっつぶれろっ!」


 そして、空中でクラウドが出した剣は……巨大な薙刀ッ!?

 切り札と言うほどの迫力はあるが、片手剣や細剣、大剣などを使用していたクラウドの筋力値では使いこなせないはず……なるほど、だから自由落下で威力と速度が跳ね上がる空中へと飛んだのか……

 そして空中のクラウドの自由落下から放たれる、巨大な鉄の塊である薙刀のから竹割り。
その質量を利用した速度から、直下地点にいる俺には絶対に回避不可な攻撃……!

「でぇぇぇぇいっ!」

 クラウドの巨大な薙刀が、俺がいた石畳の大地を砕く勢いで振り下ろされた。
あの威力では、日本刀《旋風》で受け止めることも不可能だろう。

 ――だが甘い。

 俺はもう《縮地》によってすでに、位置を言うならばクラウドの背後である、巨大薙刀の長い持ち手の部分に立っているのだから――!

「残念賞だ。あの攻撃なら、次に何をされるか誰でも分かる」

 背後からの俺の声に驚き、クラウドが振り向いてくるが……恐らく、薙刀を振り下ろす時にソードスキルを使ったのだろう、スキル硬直で動けないようだった。

「俺の勝ちだ……ナイスな展開だったぜ?」

 日本刀《旋風》の柄尻を向け、クラウドの頭にブチ当てた。
クリティカルに見合う威力で殴った為に、初撃決着モードのルールにより、俺の勝利が決定した――

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