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おぢばにおかえり
第五十五話 おぢばのバレンタインその二十五

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「楽しみにしておいて下さいね」
「いや、楽しみって」
 そう言われるとどうにもでした。
「別にね」
「思われないんですか」
「何でそうなのよ」
 そこがわかりませんでした、私には。
「阿波野君からの電話をって」
「毎日メールしてきて」
 そうしてというのです。
「詰所に来ますから」
「別に来て欲しくないし」
 来て欲しくないとも思っていませんけれど。
「まあ会ったらね」
「その時はですね」
「お話したりするけれど」
 それも別に嫌ではないです。
「それでもね」
「これといってですか」
「思うところないし」
「そうですか、ですが」
「阿波野君の方からなの」
「どんどんかけてきますから」
「そうなるかしら」
「絶対に。あとですね」
 一年の娘は私に楽しそうに言ってきます。
「交換は卒業式の後ですか?」
「その時にって」
「それが一番効果ありますよ」
「どう効果があるのよ」
 そこは私にはわからないことでしたそれで一年生の娘に首を傾げさせて尋ね返しました。そうせずにいられなくて。
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