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ドリトル先生の林檎園
第二幕その八
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「そしてその中に盆地が幾つもあるからね」
「そうした地形だから」
「幾つもの藩や領主さんに分かれていたんだ」
「江戸時代までは」
「そうだったんだよ、だから長野県っていう一つの場所だという考えは」
 そうした考えはといいますと。
「明治になってからだね」
「それまでは信濃っていう一つの国でも」
「それでもだね」
「一つの国って意識はなくて」
「それぞれ分かれていたのね」
「そうだったんだ、だから諏訪や松本、木曽、上田、松代、長野、高梨、佐久とね」
 先生は地名も挙げていきました、長野県のそれを。
「地域の差があるんだ」
「上田は真田家ね」
「あの家の領地だったよね」
「真田幸村さんのお家の」
「そうだよね」
「そうだよ、ただ江戸時代からは」
 この時代になると、というのです。
「真田家は松代に移らされているから」
「あっ、そうなんだ」
「真田家はそうなったんだ」
「上田から松代になんだ」
「移らさせられたの」
「そうなったんだよ、だから真田家は」
 江戸時代はというのです。
「松代と考えてもいいんだ」
「上田じゃなくて」
「松代」
「そちらなのね」
「それで幕末までずっと残っていたんだ」
 松代にというのです。
「幕府には好まれていなかったけれど」
「幸村さん大坂の陣で家康さん追い詰めたからね」
「物凄く強くて」
「それでね」
「あと一歩までってなったから」
「関ヶ原の戦いでは関ヶ原にいなかったけれど」
 それでもというのです。
「上田城で徳川秀忠さんの軍勢を足止めしたし」
「ああ、そうだったね」
「後で将軍になる人の軍勢だね」
「上田城に攻めてきたから足止めして」
「その時に散々困らせたんだったね」
「このこともあってね」
 関ヶ原の時もというのです。
「幕府からよく思われていなかったんだ」
「そうだったんだね」
「何ていうか複雑なお話ね」
「幸村さんの活躍は凄かったけれど」
「戦った幕府には面白いことじゃなかったのね」
「だからね」
 そうであったからだというのです。
「真田家は結構大変だったみたいだよ」
「幕府に好かれてなくて」
「生き残りに苦労した」
「そうだったんだ」
「そうだよ、ただ」
 ここでこうも言った先生でした。
「面白いお話もあってね、大坂の陣では」
「っていうち?」
「どういったお話かな」
「面白いお話っていうと」
「一体」
「大坂の陣で幸村さんや豊臣秀頼さんが実は生きていたって話があるけれど」
 このお話からです、先生は皆にお話するのでした。
「秀頼さんの息子さんもね」
「生きていたんだ」
「そうだったんだ」
「実はっていうお話があるのね」
「あの人も」
「幕府に捕らえられて京都で処刑されたと
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