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星河の覇皇
第七十二部第五章 二つの政府の統合その十一

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「それが起こってからでは遅い」
「だからこそですね」
「彼等を取り込んだのですね」
「政府機能も統一していく」
「そうしていきますね」
「このことはわかってくる」
 マウリア国民達もというのだ。
「マウリアを大きくする政策だ」
「平和にし」
「そうして」
「アウトカースト層は除外してはならない」 
 これがクリシュナータの考えだった。
「カーストの外にあろうともだ」
「マウリア国民として、ですね」
「彼等を取り入れていくべきであり」
「閣下の政策は正しい」
「そのことがわかってくる、現に我々は彼等のことを全くわかっていなかった」
 アウトカーストの者達をというのだ。
「何もかもをな」
「そうでしたね、まさかです」
「千億もいるとは」
「とてもです」
「想像出来ませんでしたね」
「私もだ」
 クリシュナータ自身もというのだ。
「三百億程度と思っていたが」
「それが千億で」
「総生産もですね」
「マウリアの表の半分以上あった」
 そこまであったというのだ。
「想像以上の規模だった、そして表のそれもだ」
「統計の仕方を変えますと」
「増えましたね」
「それもかなり」
「我が国の統計は元々表と裏があった」
 二十世紀からこの傾向があった、二十世紀のインドは納税者は全人口の一パーセントしかいないだの裏の総生産は表の二倍か三倍あるだの人口は十一億ではなく本当は二十億だの色々と言われていたのだ。
「しかしだ、それをだ」
「今後は統一し」
「裏を作らない」
「そうしていきますね」
「世の中はコインだ」
 とはいってもクリシュナータはここではコインは出さずに話した、あくまで例えだ。
「表と裏がある」
「あらゆるものに」
「そうですね」
「だから政府も社会も裏が出来るが」
 このこと自体はどうしてもというのだ。
「しかしだ、その裏が強過ぎるとだ」
「問題となる」
「政府や社会の場合は」
「中央にあり国家をまとめる権力が複数生じ」
「混乱や内戦を招くので」
「だから裏は闇社会程度でいいのだ」
 所謂ヤクザの様な存在程度でというのだ。
「連合のな、これがかつてのイタリア南部になると問題だ」
「闇社会も」
「彼等についても」
「ある程度の存在はどうしても出来る」 
 裏、そこにというのだ。
「しかしそれが強過ぎては駄目だ」
「かつてのイタリア然り」
「そして我が国然り」
「イタリア南部はカモラやマフィアが力を持ち過ぎていた」
 あらゆる仕事の斡旋や裏方を占めてその地域の経済を牛耳りあまりにも強い力を持っていたのだ。尚ナポリがカモラでシチリアがマフィアであり両者の違いは名前程でやっていることはどちらも同じであるのはこの時代でも変わらない。
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