第五十五話 おぢばのバレンタインその二十
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「ドーナツもだからね」
「本気ですね、彼」
「本気っていうと」
「ああ、まあそれはなんですが」
「そこはそうよね」
二年の娘が笑って言ったきました。
「先輩はね」
「そうですよね」
「そういうことでね」
「はい、本当に」
「何がそういうことかわからないけれど」
私はあらためて言いました。
「とにかくドーナツ結構量多いから」
「どんどん食べていいですね」
「ドーナツを」
「そうしてね、けれど」
ここで私はあらためて思いました。
「こうして寮で食べるのもね」
「あと少しですよね」
「一ヶ月ないですよね」
「先輩も卒業されますから」
「この三人でお話することもなくなりますね」
「そうよね、この寮自体が古くなって」
東寮、天理高等学校の女子寮自体がです。
「新しい寮に移るのよね」
「あと少ししたら」
「そうなりますね」
「この寮に入ってです」
二年の娘が言ってきました。
「もう私も二年ですけれど」
「馴染みあるわよね」
「はい」
二年生の娘は私に深く考えるお顔で答えてくれました。
「この寮には」
「そうなるわよね、一年以上住んでると」
「自然とそうなりますよね」
「私もそう言われますと」
一年生の娘も言ってきました。
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