暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第3楽章〜不滅の聖剣・デュランダル〜
第27節「廻り始める陰謀」
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「た〜いへん長らくお待たせしました〜」
 脳天気な声と共に本部司令室へと入室して来たのは、待ち続けていた相手だった。
「了子くん!」
「何よ?そんなに寂しくさせちゃった?」
 振り返った叔父さんに名前を呼ばれると、了子さんは悪びれもせずに軽く返す。
「了子さん!よかった、無事だったんですね!」
「まったく、何処で油売ってたんですか!?」
「え?どしたの、そんなに慌てて」
 立花と俺も駆け寄ると、了子さんは不思議そうにそう言った。
 状況を把握出来ていない了子さんに、叔父さんは重たい面持ちで答える。
「……広木防衛大臣が殺害された。永田町からの移動中に、殺害されたらしい」
「ええっ!?本当!?」
「複数の革命グループから声明が出されているが、詳しい事は把握出来ていない。目下全力で捜査中だ」
 まったく、この日本にテロリストだなんて。穏やかじゃない世の中になったものだ、と頭を抱えたくなる。
「了子さんの事、皆心配してたんですよ!?連絡にも出ないで、一体どこで道草食ってたんですか!?」
「え?連絡……」
 俺からの問いに対して、了子さんは端末を取り出すと画面を確認して言った。
「あ〜、ごめん。充電切れちゃってるわね」
「充電切れって……何やってるんですか……」
 呆れて口が空いてしまった俺に、めんごめんご、と手を合わせる了子さん。
 やれやれ……相変わらずこんな時でもマイペースなのが、この人らしい。
「でも、心配してくれてありがとう。そして、政府から受領した機密資料も無事よ。……任務遂行こそ、広木防衛大臣の弔いだわ」
 了子さんは機密資料のケースをテーブルに置き、中に入ったSDカードを取り出すと、真面目な表情でそう言った。
「……よし、緊急ブリーフィングを始める!」
 叔父さんの宣言で、俺達は中央会議室へと向かうのだった。
 
 この時、資料のケースの縁に付いていた僅かな血痕……広木防衛大臣の指で偶然にも残ってしまったダイイングメッセージに気が付いた者は、一人もいなかった。
 
 
 
「それでは了子くん、皆に説明を頼む」
「私立リディアン音楽院高等科。つまり、特異災害対策機動部二課、本部を中心に頻発しているノイズ発生の事例から……その狙いは本部最奥区画アビスに厳重保管されているサクリストD、デュランダルの強奪目的と政府は結論づけました」
「デュランダル……」
 会議室の前にある巨大ディスプレイに、アビスで保管されている黄金剣、デュランダルの映像が映し出される。
「EU連合が経済破綻した際、不良債権の一部肩代わりを条件に、日本政府が管理・保管する事になった、数少ない完全聖遺物のひとつ」
「ああ。そして今回の任務だが、このデュランダルを安全な場所へ移送せよ、との政府決定だ」
「でも移送するった
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