暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第3楽章〜不滅の聖剣・デュランダル〜
第25節「なお昏き深淵の底から」
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「いいぞ!飯食って映画見て寝る……それが男の鍛練だ!」
「わたし、女です、師匠ッ!あとシミュレーターも使ってますッ!」
「細かい事を気にするな!よし、次はランニングとサンドバッグ打ちだ!ついてこいッ!」

 本部のシミュレーターから出てきた俺と立花は、しばらく休憩を挟み、再び修行へと戻る。
 ここ最近の放課後と休日はずっとこんな感じだ。

「そういや、今度観る予定の映画は……なるほど、カンフー映画。叔父さんの得意技、震脚なんかもここからだったっけ?」
「おお!師匠のオススメ映画ですか!」
「うむ。中国のアクション映画は、俺が最も敬愛する人の故郷のものだからな!人生で一番多く見てきた映画だ」

 叔父さん、わざわざ立花の分まで黄色いジャージ用意したくらいだからぁ。
 ちなみに俺が尊敬している俳優さんは、日本三大特撮の一つである大人気シリーズの初代主人公役。鍛え抜かれた肉体と、顔や声から溢れるパワフルなオーラ、そしてこの世界で1番バイクが似合う漢だ。
 俺も早く、姉さんと同じ二輪免許が欲しい……。

「スポーツドリンクとタオルは持ったな?では向かうぞ!」
「はい!師匠!」
「終わる頃には門限が迫ってる筈だ。遅れないよう、緒川さんに送迎を頼んでおこう」
「ありがとう翔くん!」
 
 盛り上がる3人を見つめる、二課の職員達。
 その表情は、内通者の存在への疑惑などは全く感じさせない明るさがあった。

「翔くん、すっかり響ちゃんのセコンドね」
「あの司令の特訓にここまで付いていける子、初めて見ましたよ……」

 友里は響を積極的にサポートしている翔の手際に、彼の姉を支える緒川の面影を重ね、藤尭は響の素直さと順応性の高さに感心していた。

「……それにしても、映画が教材ってどうなのかしらね?」

 そして了子はというと、弦十郎の独特な修行方法に苦笑いを浮かべていたのであった。
 
 
 
 山奥の古い洋館。豪勢な外見でありながらも寂れており、何処か不気味な雰囲気を醸し出しているその建物の一部屋にて、以前ノイズに襲撃された装者達を遠巻きに観察していた金髪の女性──フィーネは、古い電話機を手に、ある人物と通話していた。

 交わされる言葉は全て英語で、女性は完全聖遺物、ソロモンの杖を片手に流暢な発音で通話を続けていた。

 部屋の天井には巨大なシャンデリアが積まれており、部屋の中心には長方形の豪華な食卓が配置されている。部屋の奥は階段付きの檀が存在しており、そこには巨大なディスプレイを始めとした精密機械が複雑に配置された実験設備となっている。

 ただ、その部屋には不自然な点も幾つかあった。
 一つは部屋の隅々に、明らかに拷問器具と思われるものが配置されている事。
 針だらけで拘束具が付け
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ