暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第2楽章〜約束の流れ星〜
第21節「夜に遭逢す」
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『小型ノイズの中に、一際大きな反応が見られる。間もなく翼も到着するから、くれぐれも無理はするんじゃないぞ』
「了解!はああああッ!!」
 突き出す拳が、蹴り込んだ足が、ノイズの躯体を粉砕し黒炭へと変えていく。
 離れた所から迫る個体には手刀を振るえば、腕の刃から放たれる光刃がそれらを切り裂き消し去って行った。
 技名は……〈斬月光・乱破の型〉とでもしておこうか。
 自分の攻撃で駅を破壊しないように気を遣いつつも、ノイズ達を倒して進む。
 広い駅内は、もはやノイズの巣窟と化していた。
 こんな密閉空間で、いつもの倍はあろう数を相手にしたくはないんだが……。
「立花の為だ、流れ星が見える時刻を過ぎるまではッ!!」

 既に戦い始めて二時間近く。一向にノイズの数は減らない。
 正直言って、体力的にはまだまだ余裕だ。おそらく、融合した生弓矢の『生命を与える力』が、体力の活性作用を促しているんだろう。ちょっとやそっとじゃ、今の俺の体力は削れない。
 しかし、こうも数が多いと精神的な疲労は出て来る。そちらは休まなければ回復しようがないので、むしろこっちの方がキツい。
「ってか、そもそも何でこんなに多いんだよ!」
 駅内を走り回りながら、大きな反応があった地点へと向かう。
 おそらく、そこにデカいのが一体居るはずだからだ。

 親玉を探して角を曲がったその先に、とても特徴的な姿をした、初めて見る個体がいた。
「いた!あの葡萄みたいなやつか!!」
 頭から背中にかけて葡萄状の器官を持つ、全身紫色の人型個体。安直だが語呂がいいので、ぶどうノイズと呼称しよう。
 ぶどうノイズはこちらの接近に気が付くと、身体を振った勢いでその葡萄のような器官を飛ばした。
 地面に弾着した途端、爆発する球体。
 眼前へと飛んできた器官へと拳を繰り出すが、周囲へと飛び散った方の器官が爆発し、天井が崩れ落ちる。
 咄嗟に防御姿勢を取ったものの、落下してきた瓦礫が降り注ぎ……。

 

「あ、ほら!流れ星!」
 夜空を見上げた未来は、闇を裂いて流れて行った一筋の輝きをを指さす。
 やがて輝きは一つ、また一つと数を増やし、やがて星の雨となって降り注ぐ。
「うわあ……綺麗だなぁ……」
 その光景を、響は感嘆の声を漏らしながら見上げる。
 この流星雨を二人で見る為に、この数日間頑張って来た。それがちゃんと報われた事を、響自身も、親友である未来も喜んでいる。
「響、願い事しない?」
「それ、いいかも!」
 流れ行く星を見つめ、二人は目を瞑る。
 心の中に願いを思い浮かべようとして……ふと、瞼の裏に翔の顔が浮かんだ。
(……翔くんも、連れて来たかったな……)
 そう思うと、今頃翔はどうしているのか気になり始める。
 今頃、街でノイズと
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