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星河の覇皇
第七十二部第四章 気付きだした者達その二十六

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「実に頭が回るな」
「それが仕事なので」 
 犯罪、各種あるがそれを生業にしている。それならばというのだ。
「実に狡猾です」
「嫌になるまでにな」
「様々な犯罪組織がありますが」
「総じてな」
「悪知恵が回ります」 
 警察官僚も言う。
「どの組織も。しかし」
「その悪知恵に勝つことだな」
「鼬ごっこも知恵を使えばです」
「勝てるな」
「性質の悪い鼠を捕まえることが出来ます」
 まさにそれをというのだ。
「充分に」
「正しい知恵は悪知恵に勝つ」
「はい」
「その通りだな、世に悪が栄えた試しはない」
「正義は遅刻すると言いますが」
「来ないことはない」
「しかし間に合わせるのが警察です」
 こうも言ったのだった。
「その正義を」
「その言葉信じさせてもらう」
「はい、ではすぐにです」
「重火器も使ってだな」
「徹底的な攻撃を加えます」
 国内のマフィア達にというのだ。
「そうします」
「ではな」
「マフィアならいいですが」
「国内のな」
「それなら規模はたかが知れています」
 彼等のそれはというのだ。
「麻薬についても」
「そう思う、私もな」
「複数に跨る組織も存在します」
 マフィアといっても色々だ、街の一つにある様な数十人単位の組織もあれば先程話に出た複数の国家に展開する組織もあるのだ。
「そうした組織となりますと」
「厄介なものだ」
「国家と国家の話にもなりますし」
「酷い場合政治家や官僚と癒着していたり」
「ある話だ」
 王はそうした話については唾棄する顔で言った。
「私とは違う」
「大統領は、ですね」
「私の権力基盤は農業と工業だ」
「そちらの経営者及び労働者ですね」
「彼等からの支持が高い」
「そうした裏社会とはですね」
「縁がない」
 このことは実際のことだ、王は農業関係者や工業関係者という肉体労働を担う者達から支持が高くこの地位にまでなった。ホワイトカラーよりブルーカラー層の支持者を集めているのだ。
 だからだ、マフィア達とはというのだ。
「関係がない、むしろだ」
「ブルーカラー層からですね」
「彼等についての強硬意見がだ」
「国内で高まっていますね」
「だからだ」 
 自身の支持者達からの要請もあり、というのだ。
「私個人の考えでもあるが」
「ブルーカラー層からの要望もあり」
 尚農業関係者はブラウンカラーと呼ばれる場合もある、彼等の作業服の色からそう呼ばれるのは工場労働者即ちブルーカラー層と同じだ。
「徹底的にですね」
「ことを進めたい」
「マフィア達に対して」
「そうだ、だから君達にも言う」
「マフィアに対して徹底的に」
「そう言う、いいな」
「わかりました」
 官僚は王に答えた、敬礼と共に。
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