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八条学園騒動記
第五百三十六話 山に行くとその十一

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「空気感染するものでな」
「それ滅茶苦茶危ないだろ」
「洒落になってないよ」
 ライゾウもタロも空気感染するペスト菌と聞いてドン引きになった。
「そんなの撒布したら」
「この辺りもやばいだろ」
「うむ、普通に何億と殺せる」
 博士は二匹に平然と答えた。
「そんなものじゃ」
「そんなの開発するなよ」
「ましてや製造するなんて」
「洒落になってねえぞ」
「核兵器より危ないんじゃない?」
「細菌兵器は核兵器より危険じゃ」
 博士もその通りだと認める。
「だから核兵器以上に使用が禁止されておる」
「核兵器はあれだよな」
 ライゾウはこの時代のそうした兵器の話をした。
「一般市民への使用どころか陸上だとな」
「民間施設が近くにあるならじゃが」
「軍事施設にも使用禁止だよな」
「放射能は除去出来るがな」
 この時代ではそれも可能となっている。
「しかしじゃ」
「それでもだよな」
「うむ、危険なことは変わりなくな」
「そうした場合は使用禁止だよな」
「宇宙空間なら別であるがな」
「惑星とか衛星ではそうだよな」
「その通りじゃ」
 博士もその通りだと答える。
「わしは一度も守ったことはないがのう」
「だから今核ミサイルの話が出ても否定しなかったんだな」
「実際に何度も使っておる」
「そうだよな」
「地下に潜伏するならず者の一団達にな」
 そうした者達にというのだ。
「ポチッとやったこともあるしな」
「他にもだよな」
「何度も使っておる」
「そうだよな、博士は」
「威力があるからのう、使っても面白い」
 博士的にはそうだというのだ。
「それでじゃ」
「そうだよな、それでは」
「細菌兵器はその核兵器よりも凄い」
 威力があるというのだ。
「疫病で滅んだ国はないが」
「かなりのダメージを与えられるよな」
「中世の欧州では人口の三分の一が死んだ」
 他ならぬペストでだ。
「そうなったこともある」
「三分の一って凄いよ」
 タロはその割合について述べた。
「連合だと一兆三千億は死ぬよね」
「大体のう」
「それだけの人が死んだら」
 それこそというのだ。
「もう社会が滅茶苦茶になるよ」
「だから欧州の社会は変わった」
 中世の欧州はというのだ。
「そこからな」
「やっぱりそうなるよね」
「戦争も中断したしのう」
 イングランドとフランスが行っていた百年戦争である、このことは歴史にもはっきり残っていることだ。
「兎角じゃ」
「欧州をとんでもない状況にしたね」
「ペストはな」
「それでそのペストをなんだ」
「空気感染する様にしたものも開発した」
 そうしたというのだ。
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