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八条学園騒動記
第五百三十六話 山に行くとその十
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「ここに移せばその場所で過去にあったことも映る」
「へえ、そりゃ凄いな」
「何処かの猫型ロボットの道具みたいだね」
「わしの造るものはあのロボットにも負けておらん」
 その青い猫型ロボットにもというのだ。
「それでじゃ」
「今からか」
「その過去を映すんだ」
「そうしてじゃ」 
「白装束の一団もか」
「ちゃんと映るんだ」
「そうじゃ、今からな」
 スマホを構えつつだ、博士は二匹に話した。
「その過去を映すぞ」
「それでか」
「白装束の一団を調べるんだね」
「うむ、連中が映ればな」
 スマホが映し出す過去にというのだ。
「そこからさらにな」
「どうするんだよ、そこから」
「一体」
「決まっておる、その連中の過去を追う」
 場所から人にというのだ。
「そうする」
「そうか、そうしたことも出来るんだな」
「そのスマホは」
「それじゃあか」
「今からそうするんだ」
「そうじゃ、しっかりとやるぞ」
 こう言ってだ、博士はそのスマホで白装束の一団を見付け出した。そうして今度は彼等の過去をスマホで見たが。
 博士はそこまで見てだった、二匹にこんなことを言った。
「そんなものか」
「そんなもの?」
「っていうと?」
「ごく普通のじゃ」
 それこそというのだ。
「大学の一団じゃ」
「大学って何処の大学だよ」
「この大学なのかな」
「うむ、前橋大学じゃ」
 まさにこの大学のというのだ。
「そこの芸術学部の学生達のパフォーマンスだった」
「何だ、宗教団体じゃなかったか」
「カルト教団とかじゃなかったんだ」
「そうであった」
 博士は残念そうに述べた。
「何ともじゃ」
「博士的には面白くない」
「そんな展開なんだね」
「わしとしてはな」
 博士は二匹に自分の希望していた展開を話した。
「やはりじゃ」
「カルト教団か」
「そっちだね」
「そしてそのカルト教団とのバトル」
「そういうのを期待していたんだ」
「うむ、しかし大学のパフォーマンスなぞな」
 そういったものはというのだ。
「わしにとってはじゃ」
「どうでもいいよな」
「博士的には」
「芸術は好きじゃ」
 こちらはというのだ。
「そして前衛芸術もよいが」
「それでもだよな」
「博士としては」
「やっぱりバトルだよな」
「邪教の一団との大立ち回りだね」
「若し金目当てのインチキ教団ならじゃ」
 そうした宗教団体はこの世にも存在している、宗教というものが儲かるものかどうかはともかく悪どく金儲けを考える者はいるのだ。
「核ミサイルでも撃ち込んでじゃ」
「皆殺しか」
「そうするんだね」
「それかペスト菌を強化したものを撒布してな」
「それでもか」
「皆殺しだね」
「鼠を媒介とせんな」

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