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星河の覇皇
第七十二部第四章 気付きだした者達その十八

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「復興が速いですね」
「それもかなり」
「暫く復興はないと思っていましたが」
「それが、ですね」
「今はです」
「復興はかなり。九割以上ですか」
 伊東はエウロパの復興をこう観ていた、そこまで復興したとだ。
「進んでいますね」
「半分程度で結構と思っていました」
「私もです」
 伊東はグリーニスキーにまた答えた。
「よくてです」
「それが。ですね」
「今で九割です」
「では残り一割も」
「瞬く間に達成し」 
 そしてというのだ。
「後はです」
「発展ですね」
「復興からそれに至るでしょう」
「そうなりますね」
「ですから」
 それでというのだ。
「あの総統殿の存在は大きいです」
「ギルフォード侯爵ですね」
 王は彼を爵位で呼んだ。
「あの御仁が総統になり」
「はい、そのうえで」
「彼のその優れた政治力と統率力で」
「あの国を瞬時に復興させましたね」
「予想以上の政治力と統率力でした」
 まさにというのだ。
「あの御仁については」
「イギリス政界では既にです」
 マックリーフは彼がその国にいた時のことを話した。
「かなりの辣腕家としてです」
「知られていましたね」
「はい、しかし」
「あちらの中央政府に進出してですね」
「新政党まで結党し」
 そしてというのだ。
「与党になり」
「そうしてです」
 伊東はマックリーフに応えて述べた。
「総統にもなっています」
「ジャバル主席のカリスマも相当で」
 李も言う。
「あの総統殿もですね」
「相当なカリスマがあり」
「政治力、統率力も」
「そしてその結果」
 力がある、だからだった。
「エウロパは復興しています」
「あの様に」
「あの国には暫く復興に力を注いで欲しかったですな」
 王はあらためて言った。
「まことに」
「全くです」
 伊東もこう王に応えた。
「あの国については」
「その間に我々がさらに発展し」
「差をつけたかったですが」
「そうはなりそうもないです」
「マウリアも力を貸していますし」 
 マウリアはマウリアの考えでそうしている、善意でそうしている訳ではないのは政治の世界ならではのことだ。
「彼等に」
「はい、そうですね」
「そのことは先程お話した通りです」
「彼等は彼等の考えで動いています」
「エウロパの為に」
「そうしています」
「それはです」
 どうにもというのだった、太平洋諸国の首脳達も。
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