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スライムの利用 
第四章

[8]前話
「これ程淫らなものがあろうか、では私は今からそなたと交わる」
「スライムに身体を弄ばれている私と」
「そうしよう、他の女達ともな」
 こう言ってだった、伯爵は立ち上がりガウンを脱ぎ捨てるとだった。
 彼もまた裸になり無数の触手となったスライムに身体を弄られている妻に近付き彼女をそのままベッドに誘った。そこで彼女の身体を楽しみ。
 その夜はスライムに食わせ女の身体を堪能させてだった、エルフや天使、魔族や魔人、セルキーといった様々な種族の女達と交わった。そして翌朝。
 彼は朝食の後微笑み家の者達に話した。
「スライムは成功だった」
「楽しまれましたか」
「そうされましたか」
「うむ、いいものだった」
 スライムと共の夜の宴はというのだ。
「実にな、だが昨夜は楽しみました」
「あまり休まられなかったですか」
「眠られなかったですか」
「どうもな。だから今宵も女達と楽しむが」
 それでもというのだ。
「相手は二人位にしてスライムもな」
「用いられないですか」
「それは」
「コスプレもな。スライムは実にいいが」
 淫靡な宴を提供してくれるがというのだ。
「溺れかねないまでだ」
「そのよさは」
「旦那様にとって」
「そう言われますか」
「だからだ、今夜はしない。女との宴はこの上ない楽しみだが」
 無類の女好き故の言葉だ。
「しかし溺れるとよくない、だからな」
「今宵は、ですね」
「スライムを用いず」
「コスプレも」
「しないでおこう、ではこれより政務だ」
 こう言って伯爵は自身の領地の政務にあたった、スライムを使って女達との夜を楽しんだ彼は満足していた、だがその快楽はあまりにも強く。
 自制心の強い彼は溺れなかった、しかしある成金は溺れ結果身体を壊してしまった。伯爵はその話を聞いて静かに言った。
「女は麻薬だ、遊び方によっては特にな」
「だからですね」
「楽しんでも慎みも覚えるべきですね」
「その通りだ、そこを忘れると大変だ。だが」
 ここで持ち前の好色さを出してだった、伯爵は笑みを浮かべて言った。
「これ以上はない楽しみでもある。だからん」
「今夜もですね」
「旦那様は」
「思う存分楽しむ」
 こう言って実際に楽しむのだった、この夜はスライムを使った。弁えて使うそれはこの時も最高の宴の一つを提供するものであった。


スライムの利用   完


                  2019・6・6
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