第五百三十四話 宇宙の旅その十四
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「博士セクハラとかしねえよな」
「性犯罪もな」
「一切だよな」
「したことはない」
生まれて二百億年の間だ。
「全くな」
「そうなんだな」
「わしは人間の姿形をしておるが」
「人間じゃねえしな」
「そうじゃ、だからな」
「人間みたいな性欲とかもか」
「ない、食欲と睡眠欲はあるが」
それでもというのだ。
「性欲はな」
「ないんだね」
「全くな、そしてじゃ」
博士はさらに言った。
「そうしたことでの犯罪もじゃ」
「しねえな」
「全くな、そしてそんな話をしているうちに」
ここで博士は目的地との距離をチェックしてから二匹に話した。
「そろそろじゃ」
「上野星系に着くか」
「そうなるんだね」
「早いのう、ではな」
「これからか」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「上野星系に入ってな」
「そしてだな」
「上野で見たいものを見るんだね」
「そうじゃ、わしは知らぬものはな」
自分が知らない、そのことはというのだ。
「知りたくて仕方がないのじゃ」
「博士ってそうした性分だよな」
「いつもそうだよね」
「二百億年前からな」
つまり生まれた頃からだというのだ。
「そうなのじゃ」
「それで博士になったのか?」
「いや、博士って二百億年前ないだろ」
「そういえばそうか」
「博士って最初はどんな名前だったのかな」
「名前は変わらん」
博士は二匹の今の疑問にあっさりと答えた。
「別にな」
「天本破天荒ってか」
「その名前のままだったんだ」
「うむ、あとあらゆる博士号を持っていることもな」
このこともというのだ。
「実は世界樹の管理人達の間でじゃ」
「博士だってか」
「言われてたんだ」
「そう定められたのじゃ」
「何かって思えば」
「そうしたことだったんだね」
「そうじゃ、誰も最近突っ込まなかったが」
それでもというのだ。
「実はそうだったのじゃよ」
「成程な」
「僕達このこと今知ったよ」
「野上君には話したかのう」
博士は首を傾げさせながら述べた。
「このことは」
「って覚えてねえのかよ」
「博士野上君にはお話していないんだ」
「では今度話そう」
「それじゃあな」
「そういうことでね」
「この話はこれで終わりじゃ、ではな」
博士は二匹にあらためて話した。
「日本軍の軍艦が来たが」
「ああ、不法侵入だってな」
「はっきり言ってきてるね」
「博士が乗ってることもな」
「そのことも言ってるね」
「日本軍なぞ恐れるわしではない」
胸を堂々と張っての言葉だった。
「ちょっと動けなくしてからじゃ」
「それからか」
「今から行くんだ」
「うむ、そうしてからじゃ」
まさにと言ってだ、そうしてだった。
博士は軍
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ