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星河の覇皇
第七十二部第三章 ジャバルという男その二十六

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「しかしです」
「色はか」
「嫌いではありませんが」
「奥方だけでか」
「充分です」
「そうなのか」
「はい、そうです」
 まさにというのだ。
「私は」
「煙草も酒も興味はないか」
「煙草は吸いません」
 全くという返事だった。
「そして酒もです」
「過度にはだな」
「飲みません、殆ど飲まないといっても」
 飲むことは飲むがというのだ。
「過言ではありません」
「ギャンブル等もしないな」
「確実な勝負しかしません」
「だから不確実性のあるギャンブルはか」
「しません」
 そうだというのだ。
「確実なものでなければ」
「だからギャンブルもしないか」
「左様です」
「そうなのか」
「趣味は読書と水泳程度です」
「水泳は日課だな」
「健康の為でもあります」
 水泳は身体全体を使うスポーツであり水中で行うものであり身体への負担もかかることが少ない。そうしたスポーツだ。
「ですから」
「行っているのか」
「そうです」
「プールは自宅にあるものをそのままか」
「使用達も共に使っているものを」
「そうなのか、君の家が資産家であることは聞いているが」
 それでもとだ、ジャバルは言うのだった。
「しかし君自身の生活は質素だな」
「どうも華美なものには興味がなく」
「それでか」
「こうした生活です」
「食事もだな」
「特に贅沢なものは興味がありません」
 言いつつカリーを食べるのだった、マウリアのごく普通の料理だ。
「そうした性分です」
「そうか、しかし野心はか」
「それは違います」 
 不敵な笑みになってだ、ジャバルは答えた。
「否定しません」
「そういうことか」
「はい、どうにも」
「君という人間がわかった、実にいい」
「そう言われますか」
「だからこそ今で満足はしていないか」
「否定しません」
「マウリアの主席か、しかし」
 それでもとだ、クリシュナータは言った。
「君はそれでも満足しないな」
「一国の主になるだけで満足は出来ないです」
「やはりそうか」
「このマウリアをさらに発展させたいです」
「今我がマウリアは三千億の人口を擁している」
 正確な、アウトカースト層まで含めた人口を把握してそうなった。その三千億分の国力も把握出来ている。
「どの国よりも大きく強いが」
「連合のどの国よりもですね」
「若し連合に入ってもだ」
 そうしてもというのだ。
「第一の国だ」
「人口、国力共に」
「そうなる」
「まさに一国では第一ですね」
「そうした国になったが」
「よりです」
 ジャバルは言った。
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