第五十五話 おぢばのバレンタインその三
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「そうした人がね」
「いないっていうのね」
「ちょっとね」
「いないと思っているでしょ」
「そうかしら」
「そうよ、だからそう言うのよ」
私に真剣なお顔のまま言うのでした。
「ちっちはもっと自分から恋愛とかしてみたらいいのに」
「そう言われても全然経験ないし」
「経験ははじめないと積めないでしょ」
「そう言われるとそうだけれど」
「一人が相手でもいいから恋愛小説みたいなね」
何か凄いお話になってきました、私にしてもどうにもと言うのでした。
「そうしたらいいでしょ」
「恋愛小説って」
「例えよ、高校時代何もなかったと思ってるし」
「いや、実際になかったわよ」
高校時代告白されたりデートしたり。そんなこととは無縁でそれでこのことは少し残念にも思っています。
「幸い失恋もなかったけれど」
「失恋は辛いわよね」
「そう聞くけれどね」
「そういえばちっち他の人の失恋について言わないけれどね」
「傷付いてる人に追い打ちは駄目でしょ」
私はすぐに答えました。
「ましてそんなことしたら恨まれるでしょ」
「絶対に恨まれるわね」
「そんなことで恨まれたら嫌だし」
「人を傷付けるから」
「だからなのね」
「そう、そんなことしないわ」
本当にとです、私は言いました。
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