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八条学園騒動記
第五百三十四話 宇宙の旅その六
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「肌身ではな」
「知らないんだね」
「ふと興味を持ったのが機会じゃ」
 博士はそのふとしたものについても貴重だと考えている、そこから科学の新しいヒントを得られることがこれまでよくあったからだ。
「それでじゃ」
「今回はだね」
「行こうと思ったのじゃ」
「そういうことなんだね」
「上野星系に出る謎の一団を見てな」
「その謎の一団って何だよ」
 こう言ったのはライゾウだった。
「それで」
「白装束の一団じゃ」
「白装束かよ」
「そうじゃ」
「まさかと思うけれどな」
 ライゾウは眉を顰めさせて博士に行言った。
「KKKじゃねえよな」
「あの白人至上主義のか」
「それじゃねえだろうな」
「あの組織はもうないぞ」
 博士はきっぱりと答えた。
「そもそも白人至上主義なぞじゃ」
「もうねえよな」
「今人類、この連合では混血が相当進んでおる」
「白人も黒人もねえよな」
「黄色人種もな」
 純粋なそうした人種は極めて少数派となっている、純粋な有色人種というものも白人種も連合ではそうなっているのだ。
「それならじゃ」
「もうKKKはか」
「おらん、そもそも白人といってもじゃ」
「優秀かっていうとな」
「人類の能力は多少の違いがあっても」
 そのことは事実でもというのだ。
「個人差じゃ」
「それに過ぎねえよな」
「うむ、知能指数も運動能力もな」
「個人の努力次第でどうにでもなるか」
「個人の向き不向きもあるが」
 それでもというのだ。
「実際じゃ」
「そうしたものはか」
「個人差に過ぎずな」
「結局人種の違いはか」
「同じ人間じゃ」
 そもそもとだ、博士は言い切った。
「大した違いがある筈がない」
「KKKの主張は間違いだったんだな」
「そうじゃ、それに当時でもじゃ」
 KKKが活動していた時期でもというのだ。
「白人至上主義を科学的に明らかにしようとすれば」
「人種の違いはないってか」
「出たしジョークでそれは絶対にアジア系になったとな」
 即ち黄色人種にというのだ。
「言われておった」
「つまり白人は劣っていたってのかよ」
「そうしたジョークもあった位で実際に知能指数はな」
 それはというと。
「ずっとアジア系が高かった」
「白人よりもかよ」
「アメリカで知能指数は人種で決まるという主張もあったが」
 出た当初から猛烈な批判に晒された主張である、人種主義が忌避されていた二十世紀末に出されたからそうなったという一面があるにしても。
「これを言うとな」
「白人よりもか」
「欧州系のアメリカ人よりもな」
「アジア系のアメリカ人の方がか」
「知能が高かった」
 そうした調査結果が実際に出たのだ。
「そして国ごとでもな」
「アジア系の国の方が高かった
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