暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十五話 おぢばのバレンタインその二

[8]前話 [2]次話
「それでもね」
「作ってあげたことはないのね」
「一度もね」
「それは残念ね」
「残念なの?」
「そうした経験ないことは。けれど何事もはじめないとはじまらないから」
 このことはわかります、何でもまずははじめることです。はじめないと何でも出来る様にもなりません。
「ここではじめることね」
「誰かにあげることを?」
「そう、やってみたらいいのよ」
 こう私に言ってきました。
「ここではじめてね」
「ううん、それじゃあ」
 ここで私が思った人はといいますと。
「詰所の人達、お父さんに信者さん達に」
「教会の?」
「そうかしら」
「はい、アウト」
 私にすぐに言ってきました。
「それはね」
「えっ、駄目なの」
「駄目も駄目もね」
 それこそというです。
「ちっち本当にわかってないわね」
「何がわかってないの?」
「そうした人達にあげるのは普通でいいのよ」
「普通っていうと」
「義理でいいの、それこそ軽くね」
 それでいいというのです。
「百円位の」
「それでいいの」
「そう、いいのよ」
 それでというのです。
「けれど一人にはね」
「あげるというの」
「真剣なのをね」
「好きな人にあげるみたいな?」
「そうしたことよ、そうしないと」
 私に真剣に言うのでした。
「ちっちも成人しないわよ」
「そうかしら」
「そう、誰か一人には特別にあげたらいいわ」
「そう言われても」
 今の私にはでした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ