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八条学園騒動記
第五百三十三話 天本博士と謎の集団その六

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「オリジナルの怪獣とメカの怪獣の対決がそのままタイトルになっておったが」
「モロにですか」
「機械の方は負けてな」
 その様になってというのだ。
「首をもぎ取られたのじゃ」
「敗北の何よりの象徴ですね」
 首をもぎ取られると、とだ。野上君も思うことだった。
「まさに」
「全くじゃな」
「じゃあラドンも」
「機械は壊れるが」
 それでもとだ、博士は野上君に話した。
「オリジナルのラドンは不死身じゃぞ」
「ああ、そういえば神話見てみると」
「そうであるな」
「はい、そんな設定ですね」
「ヘラクレスに倒されたという話もあるが」
「そこは何か矛盾しますね」
「じゃが定説ではな」
 ギリシア神話のそれではというのだ。
「百の頭を持ち頭を上げると天まで届いてじゃ」
「不死身ですね」
「だからこそ強いのじゃ」
「そのオリジナルと比べれば」
「どうしてもな」
 そこはというのだ。
「負けるわ」
「相手が不死身だと仕方ないですね」
「不死身はどうにもならん」
「博士も不死身ですしね」
「わしはまた別じゃ」
 二百億年生きている者として言うのだった。
「そこはな」
「そうですよね」
「それでラドンに話を戻すと」
 この怪獣はというと。
「とにかく不死身であるからな」
「そこの再現はですね」
「無理じゃ」
「機械では、ですね」
「機械はどんなものでもじゃ」
 それこそというのだ。
「壊れるものじゃ」
「絶対に壊れない機械はないですね」
「そうじゃ、だからな」
「メカラドンもオリジナルのラドンと闘うと」
「負けるぞ」
 博士は野上君にきっぱりと言い切った。
「絶対にな」
「そうなんですね」
「これは他の怪物も同じじゃ」
「ギリシア神話の」
「他の神話でも特撮でも同じじゃ」
「オリジナルには勝てないですか」
「やはりオリジナルが一番強い。これはクローンでもじゃ」
 こちらもだというのだ。
「やはりな」
「オリジナルには負けますか」
「そうじゃ」
 こう野上君に話した。
「中には造れんものもある」
「大きさとかの問題で」
「バハムートなぞじゃ」
 コーランに出て来る世界を額に乗せている巨大な魚だ、創作の世界ではドラゴンの姿であることも多い。
「到底じゃ」
「この世界を支えているとなると」
「宇宙じゃ」
 この宇宙自体をというのだ。
「額に乗せているのじゃ」
「無茶苦茶な大きさですね」
「この大きさになると」
 博士は野上君にさらに話した。
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