第百二十三話 讃岐からその四
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「いいな」
「それでは」
「これからはじめよう」
こう言ってだ、そしてだった。
英雄は十河城を拠点に讃岐の掌握を進めその次に阿波に対してもそうしていった。するとこの国もだった。
順調に英雄の手に戻った、こうして英雄は讃岐だけでなく阿波も完全に自分達の手に取り戻した。それが済んでだった。
英雄はあらためて伊予に進出することにした。ここで彼は仲間達に言った。
「遅れを取り戻したか」
「そうでござるな」
智が答えた。
「結果として」
「そうなるな」
「いいことでござる」
「そうだな、伊予を抑えるとな」
この国をとだ、英雄は智に応えつつ言った。
「後はだ」
「四国は土佐のみでござるな」
「しかも伊予は豊かな国だ」
英雄は伊予の内情のことも話した。
「土地は肥えていて周りには豊かな漁場が多くある」
「しかも気候もよくて柑橘類もよく実るでござる」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「あの国を手に入れるとな」
「我等はより強くなるでござる」
「しかも水運もいい」
ただよう漁場が多くあるだけでなくというのだ。
「山陽の多くの国にも九州にも行ける」
「絶好の地でござるな」
「西国を統一するには最も重要な国の一つだ」
「ではでござるな」
「次はあの国だ」
あらためて言い切った、ここで。
「讃岐と阿波で二万の兵を得たが」
「その二万の兵をでござるな」
「守りに置いてだ」
そのうえでというのだ。
「十万の兵でだ」
「伊予に進むでござるな」
「そうする、そして水軍もだ」
今度は幸正を見て言った。
「伊予にだ」
「兵を進めるな」
「そうする、水軍の主力を伊予に進め」
そうしてというのだ。
「伊予の北、瀬戸内の西の島々をだ」
「漁地にしていくでござるな」
「使者を送って従わない国人や海賊達はな」
湖にいるがこの名前でも呼ばれている、この辺りはかつて下の海に世界が存在していた頃の呼び名であるとのことだ。
「攻めていってだ」
「降すといいな」
「縞の攻めはお前に頼む」
英雄は当季に顔を向けて告げた。
「いいな」
「おう、やらせてもらうきに」
当季は英雄に笑顔で応えた。
「島々のことはのう」
「それではな、では伊代を自分達のものにする」
英雄はこう言って立ち上がった、そうしてだった。
十万の兵を水軍と共同して動かしてだった、そのうえで。
伊代に向かった、今回は讃岐や阿波と違い伊代の国人達は自分達から降りはしなかった。それで英雄は伊代との国境に来た時に言った。
「やはり使者を送ってか」
「そうしてですね」
良太が応えた。
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