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星河の覇皇
第七十二部第二章 アウトカースト政府その二十四

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「それでもね」
「大学を卒業して、です」
「すぐに立候補してね」
「当選なぞです」
「普通は夢物語ね」
「まさにそうです」
「けれど彼はそれを果たしたわ」
 見事にというのだ。
「家の資産を使ったにしても」
「資産の家ではありますね」
「そうよ、アウトカースト層のね」
「選挙は資金です」 
 何といってもというのだ。
「これがなくてはです」
「選挙活動も出来なくてね」
「落選します」
「そうなるわね」
「はい、ジャバル主席はこのことはクリアーしていましたが」
 選挙において最大の問題の一つである政治資金の問題はというのだ。
「それは」
「だからといってね」
「地盤もありませんでしたね」
「代々政治家とは無縁の職業だったわ」
「ですがそれで当選された」
「見事な演説とカリスマで」
「そしてアウトカースト層の現状を踏まえた政策を掲げて」
「当選したけれど」
 しかしというのだ。
「それだけで」
「まずないですね」
「そう、そしてね」
「そこから次々と掲げた政策を議会を通した」
「その全てをね」
「そして閣僚になられ」
 一議員からだ、功績を認められてだ。
「主席ですね」
「そうなったわ」
「民主政治においては」
「そこまで至った例は私が知っている限りは」
 カバリエは考える顔でスタッフ達に述べた。
「ないわ」
「私もです」
「私もどうもです」
「そこまでのお話はです」
「聞いたことがありません」
「民主政治は徐々に地位が上がっていきます」
「君主制かクーデターでも起こさないとです」
「二十代で主席なぞ」
「サハラでは二十代で将官になりクーデターを起こした人物がいるわ」
 カバリエはこの国の話もここでした。
「そうしてその国の元首になったけれど」
「あくまでクーデターです」
「それで地位を得ています」
「武力を以てです」
「ですがあの主席殿は民主政治で、です」
「その手順で至っています」
「数年で一議員から国家元首は」
 それことだ、カバリエはこうも言った。
「ないことよ」
「しかしそれが出来た」
「それだけでも恐ろしいことですね」
「一体どういった御仁か」
「想像するだけで恐ろしいですね」
「全くよ、そしてそうした人はね」
 若くして謀略も使い頂点に登りついた人物はというのだ。
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