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おぢばにおかえり
第五十四話 最後の学期になってその二十一

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「後悔先に立たずだし」
「もう仕方ないのね」
「ええ。ただ先輩は反省しておられるのよね」
「私にはそんなことしないでっていつも言われてたわ」
 二年生の人にもそうでした。
「そうだったわ」
「それはいいことだけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「言ったこと、やったことは戻らないのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「後輩の子もきついこと言ったでしょうし先輩もね」
「反省しておられるのね」
「私も長池先輩は凄くいい人だと思ってるわ」
 この娘もそうだというのです、このことは正直嬉しいです。
「親切で優しくてよく気がついて他の人を大事にして」
「そうよね、先輩はそうした人よ」
「けれど人間誰でも悪いところがあって間違えるじゃない」
「だからなの」
「先輩みたいな人でもね」
「間違えたりするの」
「悪いところがあってね」
 それでというのです。
「そういうことをしたのかも知れないわよ」
「そうなのね」
「そうじゃないの?けれど後輩の子はちょっときついわね」
「きついっていうか何言ってるのだったわ」
 横で聞いていて怒りそうになりました、先輩に対して何て失礼で思いやりのないことを言うのかしらって思って。
「本当に」
「けれどよ、人はね」
「誰だってなのね」
「間違えるのよ」
 そして悪いところもあるというのです。
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