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夢幻水滸伝
第百七話 若草山にてその十二

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「ほんまに」
「そうだな」
「わしの起きた世界の祖国ではな」
「南アフリカではだな」
「アパルトヘイトがあった」
 日本語で人種隔離政策と呼ばれる政策だ、国際的な批判を多く受けて解消された。
「そのことを考えるとな」
「余計にだな」
「人種のことはな」
 まさにと言うのだった。
「小さい」
「この世界から見るとな」
「この世界は多くの種族が共存している」
「そうして暮らしている」
「そのことを見るとや」
「我々の世界での差別はな」
 人種間のそれはというのだ。
「些細なことで揉めている」
「つまらんもんやな」
「この世界にも差別はある」
「種族間でもな」
「同じ種族の間でもな」
「地域ごとであるな」
 シャーデーも言って来た。
「どうしても」
「民族もあるしな」
「人種もあるしね」
 これはそれぞれの地域の一つの種族での区分だ、例えば日本の人間族は人間の大和民族となるしエルフの日本人はエルフの大和民族となる。
「種族ごとで」
「そうだな、かなり複雑だ」
「こっちの世界の民族や人種の話は」
「そしてここまで複雑だとな」
「かえってみたいやね」
「何でもないことになる」
 世界全体として見てだ。
「最早な」
「そやね」
「衝突はあってもな」
「全面的にはなりにくし」
「人間族同士で争ってもだ」
 その地域のとだ、吉川は例えを出した。
「周りの他の種族が止めたりする」
「ジャガーマンなり犀人なりな」
「他の何十もの種族がな」
「それはええことやね」
「しかも同じ言語を使っている」
 勿論文字もだ。
「だから意思疎通は出来るしな」
「簡単にな」
「そのこともあるしだ」
「大きな衝突にはなってへんし」
「だからだ」
 それでと言うのだった。
「この世界はかなり助かっている部分も多い」
「どうも」
 ここで言ったのはクッツェーだった。
「前にです」
「我々がこの世界に来る前にか」
「海の魔神が世界を石化させて海に沈める前に」
「誰かが地ならしをしていたか」
「さもないと」
 クッツェーは吉川に考える顔で話した。
「言葉や貨幣、度量衡が一つなのは」
「説明がつかないか」
「まるで誰かが統一した」
 自分達が来る前にというのだ。
「そうもですね」
「思えるな」
「はい、どうにも」
「この世界ってね」
 アレンカールも言ってきた。
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