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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第42話
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〜特務支援課〜

「”ラグナロク”…………”神々の世界の終末”を意味する言葉ね。そしてこの場合の”終末”の対象は…………」
「エレボニア帝国という事になりますよね…………」
「エレボニアに対してこれ以上ない皮肉な作戦名と言っても過言ではありませんね。」
「ったく、鉄血宰相の大地の(ヨルムンガンド)もそうだが、リア充皇帝達の世界の終末(ラグナロク)も趣味が悪すぎだろ…………」
ヴァイス達の様子を端末のモニターで見ていたエリィとノエルは複雑そうな表情で呟き、ティオはジト目で呟き、ランディは呆れた表情で呟いた。

「それにしても、ヴァイスハイト陛下達はどうしてわざわざ、オズボーン宰相達による”ヨルムンガンド作戦”の宣言の後に宣言したんでしょうね?」
「――――――”ヨルムンガンド作戦”…………いえ、『国家総動員法』の宣言の後にする宣言だからこそ、クロスベルもそうだけど、エレボニアの民達に対する影響力の効果が高い為、わざわざ”ヨルムンガンド作戦”の宣言の後にしたのだと思うわ。」
「へ…………それってどういう事なんだ?」
ユウナの疑問に答えたセティの推測を聞いたロイドは不思議そうな表情で訊ね
「『国家総動員法』は『国家の全ての人的・物的資源を政府が統制運用できる法律』ですのに、それが今回のユーディット皇妃陛下や”ヴァイスラント決起軍”の件でいきなり破綻してしまったのですから、クロスベルの民達の士気向上と同時に、エレボニアの民達に動揺を与える事ができる為です。」
「国が一つになってメンフィル・クロスベル連合やリベールを征伐するつもりだったのに、それがいきなり破綻したんだから、エレボニアの人達は間違いなく混乱するだろうね〜。」
「ええ…………今回の件を知ったエレボニア帝国政府がエレボニアの民達の動揺を抑える演説をするかもしれないけど、”ヨルムンガンド作戦”や『国家総動員法』、そしてそれらに対するメンフィル・クロスベル連合によるカウンターである『国家総動員法』のリスクの説明や最初から破綻している事、”ラグナロク作戦”のインパクトが強すぎる上、”言い訳”のようにも見えてしまうから効果はあまり見込めないと思うわ。」
「つまり最初から計算の上で、今回の緊急会見を開いたという事ですか…………」
エリナ、シャマーラ、エリィの説明を聞いたノエルは疲れた表情で溜息を吐いた。

「あーヤダヤダ、味方までキナ臭い事するとか、これだから戦争ってやつは嫌になるぜ。」
「アハハ、でもそういったお腹が真っ黒な事はロイド達にはルファディエルがいるんだから、”今更”なんじゃないかなー?」
「ほえ?ルファディエルのお腹は黒くないよ?」
疲れた表情で溜息を吐いたランディに苦笑しながら指摘した未来のキーアの言葉にキーアが首を傾げている中ロイド達は冷や汗をかいて
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