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悪魔人形
第四章

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「中に何がおるか」
「わからんな」
「そやからな、もうな」
「教会の中に入って調べる」
「そうしよな」
「わかった、ほな今からやな」
 アグノンは欧の言葉に意を決した顔になった、そうしてだった。
 二人は教会に入った、教会はもう誰もいなくなって随分と経っておりそれで文字通り廃墟になっていた。
 二人は教会の中を用心しつつ進んだ、すると。
 礼拝堂、主の十字架があるその下にだった。あるものがあった。それはというと。
 廃教会に相応しいところどころが壊れた人形だった、小さな女の子のフランス人形だったがその人形を見て。
 欧はすぐにアグノンに言った。
「わかるな」
「ああ、私にもな」
 アグノンは欧の言葉に応えた、二人共顔面蒼白になっている。
「わかるわ」
「そやな、この人形は」
「誰がここに置いたか知らんが」
「それでもな」
「この人形はな」
「とんでもない妖気を放ってる」
 欧はその境界を見つつ言った。
「魔を引き寄せる」
「こんな妖気を放つ人形ははじめて見たわ」
「わしもや、ほんまに誰が置いたか知らんが」
 それもとだ、欧は話した。
「この人形が街の一連の事件の元凶やな」
「そやろな、そして子供達は」
「おそらくやが」
 こう前置きしてだ、欧さらに言った。
「この教会におるな」
「そやな、ほなな」
「この教会の中探そうか」
「そしてこの人形は」
「すぐに呪いを解く」
 欧の決断は早かった。
「さもないとな」
「また何があるかわからんな」
「そやからな、もうな」
「今ここでやな」
「呪いを解く」
 こう言って実際にだった。
 欧は人形の呪いを解いた、その呪いは極めて強く星の者である彼も苦労した。だが。
 何か解いた、すると人形は砂の様に崩れ落ちて消え去ってしまった。欧はその様子を見てアグノンに話した。
「呪いが解けてな」
「もう何もなくなったか」
「もう呪いそのものになってか」
「そうした人形やったな」
「ほんまに誰がここに置いたか」
「そして誰が作ったか」
「一切謎やが」
 それでもと言うのだった。
「何はともあれな」
「これでやな」
「街をおかしくしてた元凶はなくなった」
「これでもう何も起こらんな」
「おかしなことはな」
 こう話してからだった、その後で。
 二人は教会の中を再び調べ子供達を探した、すると子供達は全員眠らさせられたうえで地下室に横たえさせられていたが。
 どの子も生気をかなり失っていた、欧はその子供達を見て言った。
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