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レーヴァティン
第百二十話 王都攻略その十一
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「キリスト教が絶対の権威である」
「だからローマ教皇がな」
「神聖ローマ皇帝に帝冠を授けていました、ですがこれが東ローマ帝国ですと」
「こっちは確か皇帝が教皇を兼ねててな」
 所謂皇帝教皇主義だ、聖俗の権力を共に掌握しその分皇帝の権限を強化し統治しやすい様にしたものだ。
「帝冠を授けるのもな」
「存在しません」
「言うなら皇帝自身だよな」
「はい、そうなります」
「何か俺達今神聖ローマ皇帝のこと考えてるな」
「ローマだからね、都が」
 ここで清音が言ってきた。
「だからね」
「やっぱりそのせいか」
「そうだと思うわ、ここはちょっとね」
「ローマから離れるか」
「私達の知ってるローマからね」
「神聖ローマ皇帝とな、ただな」
 久志は清音の言葉に頷きつつこうも言った。
「元々のローマ帝国は違ったよな」
「キリスト教を認める以前のだね」
「キリスト教が生まれる以前のな」
「もう皇帝って言えば」
「混乱している時代だともう僭称してもな」
 力を持つ者が我こそがと言って、というのだ。
「そこからローマを掌握して統一してもな」
「よかったわよ」
「軍人皇帝の時代とかな」
「安定していた時代なら世襲もあったし」
「あと暗殺で別の皇帝が立ったりな」
 カリギュラにしろそうだった、この皇帝は暗殺されたがその理由については実は諸説存在している。
「色々だったな」
「実際ね、まあ一番いい即位の仕方は」
 清音は久志に自分の考えを述べた。
「推挙かしらね」
「皇帝になってくれってか」
「そう、有力者からね」
「そっちか」
「あとは支持を得るとか」
「それあったよな」
 皇帝の即位への支持と聞いてだ、久志はある例えを出した。その例えは一体どういったものかというと。
「確かナポレオン三世だったな」
「あの人は選挙でね」
「フランスのトップに立ってな」
「それで民衆の支持を得てだったでしょ」
「皇帝になったな」
「そう、叔父さんの名声を上手に使って」
 その叔父こそあのナポレオンだ、この時歴史は繰り返すと言われ最初は悲劇二度目は喜劇として繰り返すと言われた。
「そうしてだったでしょ」
「そうした例もあるか」
「そう、ただね」
 清音は久志にこうも言った。
「やっぱり勝手に皇帝を名乗っても」
「僭主でな」
「今一つ恰好が悪いわよ」
「実際そうだよな」
「中国ではそこから勝ち残れば」
 そして中国を統一すればだ。
「認められてきたけれど」
「唐とか明どかだよな」
「三国時代もそうでしょ」
「あれ最後晋が統一するけれどな」
 結局曹操も劉備も中国を統一出来なかった、そして曹操の魏をそのまま乗っ取った形になった司馬氏の晋が統一したのだ。
「力があったらか」
「それで権威
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