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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第四話 紅雷
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うとするところを見ると態度や声は冷たいですが、彼の本質は優しい人なのでしょう。

ただ幼少期での過去によってそれが表面化しないだけで。

ここで私は彼に興味を覚えました。

「私には帰る家はありません。家族はお兄様がいますけど、この国には…」

「そうか……騒がしくなってきたな。お前、来い」

「え?」

彼は私を抱き上げて一気に加速した。

これが紅き雷霆の身体強化…!!

私を守るように紅い雷撃の膜を張りつつ、一瞬の溜め動作の後に超高速で飛んでいく。

目まぐるしく景色が移動するのを私は呆然と魅入ってしまい、しばらくソウが空と地を駆けていると、恐らく彼の拠点らしき建物の前で足を止めた。

「あの、ここは?」

「俺と弟の隠れ家だ。帰ったぞ」

「お帰り、兄さん。何時もの時間になっても帰らないから心配していたんだよ?」

扉を開いて出てきたのはソウと同じ顔立ちをした少年だった。

彼がソウの弟のガンヴォルトだ。

「…悪かった。無能力者のせいだ。」

謝罪する彼の姿に私は思わず顔が綻びました。

「ところで兄さん。彼女は…?」

「無能力者の屑共にやられそうになっていてな。送ろうとしたら帰る場所もない上にいた場所が騒がしくなってきてな…保護して連れてきた。1人くらいなら増えても平気だろう」

それだけ言うと、ソウはリビングに向かっていった。

「そう…そのごめん。兄さんが…無理矢理」

「いいえ、彼は彼なりに私の身を案じてくれたのです。不器用ですが、優しい人ですね彼は…」

「……っ」

その言葉にガンヴォルトは嬉しそうに微笑んだ。

きっと他の者は彼の表面上の態度を受け取って冷たい人物だと思っているのでしょう。

しかし、ちゃんと彼の一挙一動を見れば分かります。

私を抱き上げてくれた時も、移動する時も、降ろす時も私のことを気にかけてくれたのですから。

「GV…お兄さん帰ってきたの?」

眠そうに目を擦りながら1人の少女が姿を現した。

「シアン…」

「(電子の謡精!!ここにいたのですね…出来ることならここで彼女を確保しておきたいところですが、恩を仇で返すつもりはありませんので、しばらくはそっとしておきましょう)」

「あの、あなたは?」

私の視線に気付いたシアンは私に尋ねてきた。

「私は……テーラと言います。あなたは?」

「あ、私はシアン…よろしくねテーラちゃん。」

自分で言っておきながらもう少し良い偽名は思いつかなかったのかと自分に呆れましたが、この偽名なら渾名(テセオ曰く親しい間柄で使われる愛称とのことですが。)としても使えそうですしこれで良いかもしれません。

「僕はガンヴォルト…呼びにくいな
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