暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十四話 最後の学期になってその十二

[8]前話 [2]次話
「宜しくね」
「そうして下さい、是非」
「じゃあね。けれどこの一年でね」
 阿波野君もです。
「結構勉強したでしょ」
「それでもです」
「まだまだっていうの」
「正直勉強はじめて一年も経っていないですから」
「ううん、だからわかっていないっていうのね」
「まだまだですよ、絶対」
 自分で言い切ってきました。
「ですから」
「まだ勉強したくてなの」
「一生勉強するものですよね、それに」
「それに?」
「勉強するだけじゃ駄目ですよね、おみちって」
 凄いことを言ってきました、この言葉には正直驚きました。
 それで思わずです、阿波野君に聞き返しました。
「今勉強するだけじゃ駄目って言ったけれど」
「行動が伴うっていうか行動の方が大事ですよね、おみちは」
「そうよ、けれどそこまで言うなんて」
「びっくりしました?」
「仰天したわ」
 もう心からでした。
「そこまでわかっているなんて、そういえば」
 言われてみればでした。
「わざわざ休日おぢばに帰って回廊ひのきしんさせてもらってるし」
「暇ですから」
「いや、暇ならね」
 それならそれで、です。
「遊んだりするじゃない」
「実際に遊んでますよ、ですが一日中遊んでる訳じゃないですから」
 それでというのです。
「ひのきしんと勉強も」
「宇陀からおぢばに帰ってなの」
「してるんです、後は郡山に行こうかと」
「郡山に?」
「そう、あそこに行ってです」
 そうしてというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ