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うちはオビト逆行物語 改 〜逆行?何それ美味しいの?〜
幼少編
うちはオビト逆行物語『対カカシ』
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カカシはこの瞬間が来ることをどこか知っている気がした。中忍試験、たかがその決勝で、あの『落ちこぼれ』と軽視されていた班員、うちはオビトと戦うことを、カカシは確信に似た何かとして捉えていたのだ。
オビトの急成長は凄まじい。普段の修行の頻度も上がり、任務中にもリンには見向きもせずしっかりと周りを判断でき、チームワークを配慮出来るようになった。幼い頃から見ていたカカシからすれば天地が引っくり返る程の事実ではあるのだが、如何せん周りには忍になって本気を出していると思われているようだった。
そんな事あるものかとカカシは内心否定している。あのオビトなんだぞ、と。修行の頻度は増えるのは良いとして、オビトの想い人であるリンの前で張り切ったりしないということは、カカシにとってそれはもう雷が直撃するくらいの衝撃であったのだ。
前に1度オビトに当たり障りなくその事を聞いた気がするが、その時ものほほんとした雰囲気でそんなことは無いなんて言われてしまっている。いや、あるんだけど。あるから聞いてるんだけど。そう口に出せなかったカカシは決して悪くは無い。
だから、そう。カカシはこれだけはハッキリさせたかったのだ。
「オビト、1ついいか?」
「…ん。」
疑問系とも肯定とも取れるその返事を聞いて、カカシを見据えるオビトを睨み返すように眺める。
「俺がこの戦いに勝ったら、オビトの秘密を教えて欲しい。」
オビト自身が何者なのか、何がきっかけであんなにも変わってしまったのか。審美眼はまだなくとも周りに劣ってはいないと自負しているカカシはそれをハッキリさせたかったのだ。
だが、それは彼を本気にさせてしまう一言だった。オビトの目が光る。その目は今まで向けられることのなかった凄まじい程の殺気や圧力。先に何度か戦地へ赴いたことのあるカカシですら、そんな視線を感じたことは今まで一度もなかった。オビトは視線をそのままにほぅ?と挑発的に笑ってみせる。こんな笑顔も、アカデミー入学前には見もしなかった。
「…まぁ、いいぞ。」
この時この瞬間、2人の中でスタートのゴングが大きく鳴り響いた瞬間であった。

オビトside

随分と厄介な事になった。まさかここでも勝たねば行けなくなるとは、予想外な上に作戦的には失敗だ。試合前、審判が来る前にカカシに言われた言葉を思い返しながら、独りごちる。
そもそも、『前回の』オビトは初戦敗退。カカシの一人勝ちをただボーッと見ているだけの落ちこぼれに過ぎなかったのだ。だが、今は準決勝どころか決勝にまで上り詰めてしまった。今までの戦いですら加減が大変(にしても危うい部分が多かったのだが…)だったのに、カカシなんて、それはもう俺にとっちゃ1番戦いたくない相手なわけだ。誰よりも組手をし、誰よりも互いの忍術を知り、誰よりも隣で見てきているコイツだから、上手く加減
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