暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百十七話 西の端へその十一

[8]前話 [2]次話
「何とかするな」
「そうするわね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「いや、あの国もな」
 その古王国もとだ、久志は言うのだった。
「出来たら戦なしでな」
「終わらせたいというのだ。
「やっぱりな、ただな」
「あちらとしてはね」
「そうもいかないみたいだな」
「だから守りを厳重に固めていっているのよ」
 先に話された通りにというのだ。
「そうしてね」
「俺達ともか」
「戦うつもりよ、あの国は術を使える人間が多いから」
「苦労するか」
「戦になるとね」
「アレクサンドリアがだったな」
 ここでだ、久志は古王国のこの街の名前を出した。
「あそこに巨大な図書館があって」
「大学も凄いのがあるのよ」
「そこで術が盛んに学ばれていてか」
「優秀な術者も多いのよ」
「魔術師なり僧侶なりでか」
「錬金術師も超能力者もね」
 そうした職業の者達もというのだ。
「多いわよ、人口は今の私達よりはずっと少なくて軍の規模も小さいけれど」
「術を使う人間はか」
「多くてね」
 それでというのだ。
「そこは注意してね」
「そうか、術か」
「それがあの国の特徴で」
 それでというのだ。
「強みだから」
「わかった、じゃあな」
「そこも注意してね」
「戦っていくな」
「それで勝っていくわよ」
「戦うならな」
 まさにとだ、久志は双葉に応えてだった。そうして軍勢を東に向かわせるのだった。古王国との闘いも見据えて。


第百十七話   完


                 2019・6・8
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ