第三百七十七話 秘めた意志その十
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「それでな」
「何でも食べないとですか」
「生きられなかったみたいでな」
「その俺と今の俺は違うがな」
それでもとだ、浅倉自身も話した。
「その記憶が何処かにあるな」
「それで、ですか」
「今もこんな調子だ」
「食べられないと、ですか」
「死ぬだけだ」
そうだと言ってだ、浅倉は鰐の肉を食べた。そのうえでまた言った。
「だがこの肉は美味い」
「鰐の肉は」
「兎の肉もな」
今度は兎の肉を食べて言った。
「だからだ」
「そう、ですか」
「食っていい」
「それでは」
「それとだ」
「あっ、確かに」
ここで夏凛は兎の肉を食べてみた、それで言うのだった。
「美味しいわ」
「鰐のお肉も」
樹はそちらの肉を食べて言った。
「美味しいわ」
「そうだ、むしろそうした肉は美味い」
浅倉は二人の少女にあらためて話した。
「しかも栄養もある」
「そうなんですね」
「こうしたお肉は」
「だからどんどん食え」
「そうさせてもらいます」
「美味しいですね」
「遠慮なくな、肉は幾らでもある」
浅倉自身も食っている、そして飲んでもいる。
「酒以外は好きにすればいい」
「お酒だけはですね」
「やっぱり、ですよね」
「子供は飲まない方がいいからな」
「そうなのよね、お酒はね」
霧島も言ってきた、彼女はもう飲んでいる。
「子供はもうね」
「他の世界の子達は飲んでなかったか?」
佐野は霧島の話から言った。
「中学生の子も」
「そうだったかしら」
「ああ、高校生の子はもう飲んでいてな」
「ええ、高校生の子達はね」
「それで中学生の子達もな」
「じゃあいいのかしら」
「今は止めて下さい」
ここでまた先生が出て来た、見れば先生もまだ飲んでいない。
「他の世界の子達はともかくとしまして」
「この子達は、か」
「今はなのね」
「私も先生ですから」
部の顧問で引率もしているからだというのだ。
「ですから」
「そうか、じゃあな」
佐野も納得した、そしてだった。
勇者部の少女達にはそれぞれが好きなジュースや炭酸飲料を差し出した、そうしてそれぞれでだった。
飲んで食べた、その中で友奈は言った。
「こうして美味しいものも食べて」
「そしてね」
「体力を回復させて」
「うん、身体も作ることだよ」
「それも大事なんですね」
「戦いはね」
城戸は友奈に笑顔で話した。
「そうなんだよ」
「そういうことですね」
「だからこうした時はね」
「どんどん食べることですね」
「そしてよく寝ることも」
このこともというのだ。
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