暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……」

 思わず帝は舌打ちする。
 不満に思うのは仕方ないが、同時にそうなる事もしょうがないと理解出来た。
 神界において物理法則は曖昧になっている。
 単純に道を辿っても同じ場所に着くとは限らないのだ。

「皆がどうしているのかもわからないのはきついな……」

〈とにかく、一度出口まで行くのが最善かと〉

「出口近くには何人か残っていたからな。そうするか」

 出口近くでは、祈梨を始めとした何人かが残っている。
 例え優輝達と合流できなくとも、そちらと合流すれば最悪は避けられる。
 そう考え、帝は行動を開始する。

「案内は頼むぞ」

〈分かりました〉

「(合流できれば御の字。最低でも、出口まで戻れたら―――)」







 ……“それ”を避けられたのは、偶然だった。
 偶然、帝の視界の真正面から飛んできたから、回避が間に合った。

「っ、まぁ、姿を隠した程度で見つからないはずがないよな……」

〈未知のエネルギー……いえ、理力反応……一つではありません!〉

「一人でも滅茶苦茶苦戦するってのに……!」

 直後、再び帝に向けていくつもの閃光が降り注ぐ。
 身体強化をフルで使い、帝はその場から離脱。
 パッシブ系の効果を齎す宝具を身に着けつつ、回避にまずは専念する。

「……一人ってのは、辛いな……」

〈私がいます……!どうか、意志を強く持ってください……!〉

 最早、いつもの軽口をエアは言わない。
 ただ主である帝の身を案じて、激励の言葉を送った。

「ッ……」

 包囲するように囲んでくる神と、その眷属である“天使”。
 多対一。一人相手でも苦戦必至な相手が複数だ。
 勝ち目などないに等しく、帝もそれを理解していた。
 その上で諦める訳にはいかないと考えたが、それでも意志は挫けそうなのだ。

「っ、ぁああああああああああ!!!」

 激昂と共に、帝の絶望が始まる。
 抗う事すら許さないような、慈悲なき脅威が、帝を襲った。























「……ふぅー、ふぅー、ふぅー……っ……!」

 “音”を束ねた砲撃魔法を放った奏は、その場に膝を付いて息を切らす。
 多くの分身を作り、さらに集中力を使った術を放ったのだ。
 連戦と言う事もあり、かなりの消耗をしている。

「(土壇場で作った技。でも、上手く行った。これで……!)」

 今までの魔法や霊術とは比べ物にならない威力だったと、奏は確信する。
 魔法や霊術を“音”として捉え、それらを束ねて放つ霊魔術。
 それは単純な威力はもちろん、概念的効果も持ち合わせていた。
 “音”として捉えた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ