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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第35話
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〜七耀教会・レグラム聖堂〜

「この声……!」
「姉さん……!」
「ようやく現れたか、放蕩娘が……!
声を聞いて血相を変えたセリーヌとエマ、ローゼリアが声を上げ、アリサ達が背後へと振り向くとクロチルダが転位によって姿を現した!
「ミスティ――――――クロチルダさんか……!」
「独自に動いているのは聞いていたが…………」
クロチルダの登場にマキアスは驚き、ラウラは真剣な表情でクロチルダを見つめ
「ふふ…………久しぶりね、婆様。エマにセリーヌ、Z組のみんなも。それとライサンダー卿、仲立ちしてくれて助かったわ。」
苦笑しながらアリサ達に話しかけたクロチルダは意味ありげな笑みを浮かべてトマスに話を振った。

「いや〜、家族がすれ違ったままなのも哀しいですからねぇ。」
「フフ、それならリィン君達の事についての仲立ちもして欲しかったのだけど?」
「ア、アハハ…………耳が痛いですね〜…………私もそうしたいのは山々なんですが、貴女もご存知のようにメンフィル帝国関連で七耀教会が介入するのは厳しい状況なんですよね〜。」
「あら…………確か”外法狩り”――――――いえ、今は”千の護手”に渾名を変えたのだったかしら?”千の護手”とその従騎士が”影の国”の件で”英雄王”達と知り合いになれたのだから、それを頼る事はできないのかしら?」
「いや〜、私もその僅かな可能性に賭けて彼らに頼んでみたのですけど、その程度の関係では”英雄王”達は相手にもしなかったらしいんですよね〜。」
「姉さん、どうして…………やっぱり戻ってくるつもりじゃないのよね…………?」
クロチルダとトマスの話が途切れるとエマは複雑そうな表情でクロチルダに訊ねた。

「ええ、前にも言ったように私の忠誠は”盟主”に捧げている。その意味では貴女や婆様みたいに魔女としてのみは振舞えない。」
「……………………」
「だから何なのよ、その”盟主”ってのは…………」
「フン…………どんな人物かは知らぬがその人物が討たれてもなお、忠誠を捧げるとは大した入れ込みようじゃな。」
クロチルダの意志を知ったエマが複雑そうな表情で黙り込んでいる中セリーヌとローゼリアは呆れた表情で呟いた。

「――――――ならばヴィータ、ヌシがこの場に現れた理由…………ようやく”結社”がどう動くか決まったというところか?」
「ええ、”盟主”や私と”鋼の聖女”を除いた”使徒”達亡き後盟主の”見届け人”であったカンパネルラを含めた一部の執行者達が全員一致で決定したそうよ。私が戒めてきた”禁忌”を破り…………宰相と地精の『巨イナル黄昏』に協力して終焉の中で『幻焔計画』を完遂することを。」
「そ、それって…………!?」
「…………そういう事か…………クロスベルに護送されていたアルスターの民達の襲撃に裏切ったは
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