第三百七十七話 秘めた意志その三
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「先生も辛かったんだよ」
「ですが」
「だから。ですがもないんだよ」
城戸の声も優しかった、彼のその言葉もまた。
「先生も辛かったことは事実だから」
「お面被っていてもわかっていました」
園子もいつもの穏やかさはなかった、悲しい顔のでの言葉だった。
「先生はいつも泣いていましたね」
「そのことも」
「はい、だからお面も被っていましたね」
「そういうものなんだよ、人は表情を隠したい時にもお面を被ってな」
城戸がまた先生に話した。
「辛い時でもそうなんだよ」
「私達を人柱に捧げたと思っていましたね」
「・・・・・・・・・」
先生は園子のその言葉に頷いた、だがそれでも園子にはわかっていた。それで彼女に言うのだった。
「私も東郷ちゃんと同じ考えですから」
「だからですか」
「はい、先生に悪い気持ちなんてないです」
「そんなこと思う娘がここにいる筈がないさ」
城戸がまた先生に話した。
「だから前を向いてな」
「そうしてですか」
「スサノオと戦ってな」
そしてというのだ。
「勝とうな」
「だからですか」
「先生も協力してくれるかい?」
「前向きにですか」
「ああ、そうして欲しいけれどな」
「それでは」
先生も遂にだった、顔を上げてそれから頷いた。
それからだ、城戸に対して言った。
「すぐにです」
「勇者部を助けてくれる人達にだよな」
「お話をしますので」
「それで一緒に戦ってくれるんだな」
「一緒に、ですか」
「先生もな」
「ですが先生は」
「ああ、戦いは戦闘だけじゃないんだよ」
こう先生に言うのだった。
「フォローやサポートもな」
「戦いですか」
「ああ、だからな」
「私は私で」
「出来ることを頼むな」
「それでは」
「ああ、一緒に戦ってな」
そうしてというのだ。
「モンスター、そしてスサノオに勝とうな」
「その為にですね」
「先生もな」
「はい、戦います」
先生はようやく笑顔になった、そうしてだった。
様々な物資や資金を出してもらうことを約束した、その話が終わってだった。風はライダー達にこう提案した。
「ファイルを読んだ後で」
「ああ、うどんだな」
北岡が笑って応えた。
「食いに行こうっていうんだな」
「あれっ、まだ言ってないですが」
「言ってなくてもわかるから」
「そうですか」
「ここは香川県だからな」
このことからわかるというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「ああ、俺にもわかったよ」
風に笑顔で言うのだった。
「このことは」
「そうですか」
「それでな」
北岡の方から出した言葉だった。
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